サイバーエージェント、電通を時価総額で一時逆転…国内広告会社トップの座、交代目前かの画像1
サイバーエージェントの本社機能、メディア事業、ゲーム事業が入居しているAbema Towers(「Wikipedia」より/Bject)

 ネット広告のサイバーエージェントの時価総額は7800億円。広告最大手、電通グループは1兆36億円(11月11日終値)。一時はサイバーの時価総額は電通に肉薄していたが、電通が1兆円の大台を回復し突き放した。

 時価総額の逆転は、これまでも何度かあった。サイバーの時価総額は2020年4月4日、電通の時価総額を一時的に逆転した。サイバーが5134億円、電通は5127億円。4月4日の終値で再び電通の株価がサイバーを上回り、逆転は一時的なものに終った。

 5月20日、サイバーの時価総額が終値ベースで初めて電通を逆転した。サイバー株は一時、前日比6%高の5370円まで買われ、18年11月以来の高値水準となった。終値ベースでの時価総額は6713億円。電通の6670億円を上回った。その後、電通が再逆転した。

 10月21日、サイバーは株式分割を考慮した実質の上場来高値7030円をつけ、時価総額は8000億円を超えた。同日の終値を基準とした時価総額はサイバーが8571億円。電通は8897億円。サイバーが電通に、かなり肉薄した。

コロナの影響はあったが広告事業で増収増益を達成

 サイバーは10月28日、2020年9月期連結決算を発表した。ライブ配信による決算説明会に登場した藤田晋社長は、「上場して20年を迎え、売上高は5000億円突破を目前にし、なお成長を続けている」と胸を張った。売上高は前期比5.5%増の4785億円、営業利益は9.9%増の338億円。前の期にあった減損損失がなくなったことから純利益は3.9倍の66億円だった。

 サイバーの事業は広告とゲームとメディアの3本柱である。ネット広告代理店というよりも、コンテンツ会社、総合デジタル会社の側面が強くなっている。ネット広告はコロナで影響を受けたものの、売上高は5.0%増の2693億円、営業利益は7.3%増の210億円。売上高の全体に占める割合は56%、まさに大黒柱である。

 稼ぎ頭はスマートフォンゲームである。新しいタイトルのヒットが寄与し、売上高は2.4%増の1558億円、営業利益は16.5%増の303億円。利益率が高いゲームがネット広告を営業利益で93億円もリードしている。ゲームが好調な業績を牽引した。

 力を注いでいるのがインターネットテレビのメディア事業。毎年数百億円規模の投資を続けてきた。テレビ・ドラマ・動画配信サービスの「ABEMA(アベマ)」の「赤字幅は182億円まで減った」(藤田社長)と強調する。メディア事業全体の売上高は有料オンラインライブPayPerViewが支え、22.6%増の570億円と大きく伸びたが、営業損益段階では182億円の赤字が続いた。

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