宮城県、「まん防」と国の大型観光企画「東北DC」同時強行の愚行…地元観光業者が悲鳴の画像1
東北デスティネーション・キャンペーン公式サイトより

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が5日、大阪、兵庫、宮城の3府県の計6市で適用が開始された。適用都市の飲食・観光事業者の表情が曇る中、ひときわ憂鬱を深める都市があった。今回、措置が適用された宮城県仙台市だ。

 措置に先立つ1日、まさに“最悪”ともいえるタイミングで国、自治体、JR東日本3者による大型観光宣伝企画「東北デスティネーション・キャンペーン」(東北DC、4月1日~9月30日)が始まっていたからだ。仙台市太白区の秋保温泉のホテル関係者は憤る。

「措置は5月5日のゴールデンウィーク終了まで続くということで、少なくとも完全に出鼻をくじかれました。すでに4月末にご予約いただいていた首都圏のご高齢のお客様から、『仙台は危ないようだから』との理由でキャンセルが入りました。

 うちは従業員数が多く、経営は非常に苦しいです。DC自体はやってほしいのですが、内実が伴わなければ意味がありません。開始時期を延期するとか、期間を年末まで延長するとかできないのでしょうか。

 このままだと事業費の税金をドブに捨てることになるし、DCに向けて行ってきた我々の少なくない設備投資も無駄になります。営業自粛というブレーキと、『Go To』やDCなどのアクセルを、同時に踏み続ける政府・行政に不信感しかないです。四角四面なお役所仕事で、ずっと振り回され続けています。

 また、『観光や飲食が苦境だ』と応援した次の瞬間に『コロナ禍にも関わらず営業している』『こんな状況下で旅行を受け入れている』などと叩くマスコミには本当に怒りしかわかないですね。我々にどうしろと言うんです?」

オープニングセレモニーがばたばたと中止に

 東北DCは東日本大震災から10年の節目に、これまでの復興の歩みを全国・全世界に発信する趣旨で企画された。各観光地の見どころを中心に、首都圏の主要駅やテレビコマーシャルなどで大規模広告事業を展開。観光列車の運行や、大手旅行代理店と連携したツアーや宿泊プランを販売するほか、地元の観光関係者や地域の伝統芸能関係者、地域住民も動員して、JR各駅を中心に誘客イベントを開催する予定だ。東北内外のインフルエンサーでつくる「Tohokuサポーター」なども活用し草の根レベルでの誘客促進も図る。

 計画は2016年に立案され、当初は全世界から誘客を図る壮大な計画だった。同年5月24日、観光庁から発表されたプレスリリース『日本初、全世界を対象とした東北デスティネーション・キャンペーンを実施~グローバルメディアの活用やメディア等500 人以上招請など集中的なプロモーションを実施~』によると、「東北6県の外国人宿泊者数を2020年に150 万人泊(2015 年の3倍)とすることを目標にする」とある。しかし、コロナ禍でそうした海外からの誘客計画は水泡と化した。

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