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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」~CAが危ない!ANAの正体(7)

ANA、パイロット出演のYouTube動画に削除警告…合併先社員へパワハラ横行

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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全日本空輸のボーイング767-300(「Wikipedia」より)

 全日本空輸(ANA)がCA(客室乗務員)だけでなく、パイロットにもSNS上の発言について異常な監視体制を敷いていることが明らかになった。パイロットが人気YouTubeチャンネルに出演した結果、そのチャンネルがあわや閉鎖に追い込まれる騒動に発展した。さらに、パイロットの間でANA生え抜きの「純血主義」が横行し、吸収合併した子会社出身者への差別がパワハラという形となって表れているという。

現役機長がYouTube出演でANA激怒

 この連載第1回で、ANAがCAのFacebookなどのSNS利用に対して、異常なまでの監視体制を敷いている実態を紹介した。筆者が取材を進めた結果、これがパイロットにまで及んでいることが明らかになった。

 事の発端は、航空業界関係者や飛行機好きなどを中心にファンが多い人気YouTubeチャンネルの閉鎖騒動だ。このチャンネルは元機長が配信主で、現役時代に経験した航空業界の内情について紹介するもので、昨年10月、ANAの現役機長をゲストで招き、コロナ禍での最新事情などについて話す番組を配信した。主な内容は以下の通りだ。

・コロナ禍でスケジュールがガラガラでヒマ

・20年1月にANAのCAで搭乗時の飲酒検査で引っかかった事案が発生し、国から事業改善命令が出た。それを踏まえて、ANAでは乗務後にもパイロットとCA全員の飲酒検査が実施されている。さらに、目的地到着から24時間は飲酒不可になり、地酒などが飲めず現地でCAなどとの会食もできずに退屈。会社側の従業員への不信感が現場で共有されており、現場の士気が下がっている。

・コロナ禍で巨額の有利子負債を抱えたANAは破綻するかもしれず、日本航空(JAL)との統合もあり得る。統合後の社名は「JANAL」「JANA」などが考えられる。

 いかがだろうか。現役機長としては突っ込んだ内容だとは思うものの、運航に関する保安上の機密情報が開示されているわけでもない。現役機長が休暇を利用して社名を明らかにせずにぶっちゃけトークをするという意味では、常識の範囲内だろう。

部長名義の業務命令で威圧的に「動画削除」を警告

 ところが、ANA当局はこの発言内容に激怒し、社内で猛烈な犯人捜しが始まった。動画の配信直後に「フライトオペレーションセンター 業務推進部長」名義で「【注意喚起】ソーシャルネットワーキングサービスにおける不適切動画について」という以下の文書が、パイロットを中心に業務連絡として出回ったという。

「今般、SNS上(他者が主催するYou Tubeチャンネル)で、ある人物がANA運航乗務員を匂わせる発言とともに会社を揶揄するような発言を行い、当該チャンネルを視聴した方から指摘を受けるという事象が発生しました。

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