エア・ドゥとソラシドエア、なぜ合併ではなく経営統合?第三極の4社、苦境で再編への画像1
ANAのボーイング767-300(「Wikipedia」より/INOUE, Takeshi jp)

 北海道が地盤の航空会社エア・ドゥ(AIRDO、札幌市)と九州を拠点とするソラシドエア(宮崎市)は、共同持ち株会社を設立して経営統合する。新型コロナウイルス感染拡大で業績が低迷するなか、生き残りをかけた再編に踏み切る。

 2022年10月をめどに両社を傘下にもつ持ち株会社を設立する。両社は筆頭株主の日本政策投資銀行などを引受先とする第三者割当増資による優先株を発行する。今年7月にAIRDOは70億円、ソラシドは25億円を調達する。増資後、両社は資本金を1億円に減資し、税制上は中小企業になる。政投銀は「地域路線の維持」と出資の目的を説明している。持ち株会社の名称や出資比率などは今後詰める。

 AIRDOの草野晋社長は5月31日、札幌市で記者会見し、「自助努力には限界がある」と再編を決断した理由を語った。ソラシドの高橋宏輔社長も宮崎市での会見で「厳しい環境を乗り越え、コロナ後に対応するには相当の変革が必要」と強調した。

 両社は人材や技術を持ち寄り、経営の効率化を図る。資材の共同調達などにも取り組み、コストの削減を進めることでコロナ禍でも路線網を維持したいと前向きだ。AIRDOは1996年、北海道国際航空として設立。2002年、民事再生法を申請し、全日本空輸(現・ANAホールディングス)の支援を受け05年に経営を立て直し、12年、現社名となった。「北海道の翼」として新千歳-仙台、羽田、神戸など国内10路線で運航している。

 筆頭株主は政投銀(持ち株比率32.49%)、2位がANAHD(13.61%)。以下、双日(10.0%)、北洋銀行(5.0%)、石屋製菓(4.25%)、楽天(4.25%)、北海道空港(3.4%)である(20年3月末時点)。

 AIRDOの21年3月期決算(単独)は、純損益が121億円の赤字(20年3月期は4億円の黒字)だった。08年3月期以来13年ぶりの赤字決算で、過去最大の最終赤字となった。旅客数の急減で売上高は174億円(同61.8%減)に激減、営業損益は129億円の赤字(同22億円の黒字)。そのため純資産は20年3月期の128億円から22億円に、自己資本比率は28.2%から5.3%に急激に悪化。債務超過に転落するのは時間の問題だった。22年3月期の通期業績予想は「合理的に算定することが困難」として開示しなかった。

 一方、ソラシドエアは1997年にパンアジア航空として設立。2015年、現社名に変更した。宮崎-羽田など九州各地と羽田空港を結ぶ路線と、那覇空港を結ぶ沖縄路線を2本柱に国内14路線を運航している。ソラシドの筆頭株主は政投銀(19.24%)。2位は地元の宮崎交通とANAHDが同率(17.03%)。以下、地元の米良電機産業(6.6%)、宮崎銀行(2.77%)などとなっている(20年3月末時点)。

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