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九州、戦国時代の“三国志”再燃?九州・金融界トップの座争い容赦なき地銀再編が激化

文=編集部
九州、戦国時代の“三国志”再燃?九州・金融界トップの座争い容赦なき地銀再編が激化の画像1
ふくおかフィナンシャルグループ本社ビル(「Wikipedia」より)

 鹿児島の第二地銀、南日本銀行(福岡証券取引所に単独上場)は第三者割当増資で最大85億円を調達する。割当先は地銀の鹿児島銀行(鹿児島市)など県内中心に33社・団体を予定。9月30日が払い込み期日となっている。調達した資金は公的資金の返済には使わないという。

 B種優先株85万株の割当先は鹿児島銀行の10万株(10億円)が最高だ。観光や交通のいわさきグループの岩崎育英文化財団(鹿児島市)と地場商社の南国殖産(同)が各5万株(5億円)。隣県の第二地銀、宮崎太陽銀行(福証単独上場)が4万株(4億円)。同じ第二地銀同士が手を組む。他に鹿児島信用金庫(鹿児島市)や鹿児島相互信用金庫(同)、南日本新聞社(同)が各3万株(3億円)などの引き受けを予定している。

 優先株に議決権はない。優先株の配当利回りは1.75%。優先株は10年後に普通株に転換する必要がある。同行は7年後以降に全株を買い戻す計画だ。南日本銀は2009年に150億円の公的資金を受け入れた。24年3月に返済期限を迎えるが1年前倒しして23年3月末までに返済する計画を公表している。「早期返済を見据え、自己資本比率の維持向上を図りつつ地域の資金需要に対応する」としている。今回の増資によって自己資本比率は8.52%(21年3月期末)から10%超になる見通し。

 南日本銀行の21年3月期の連結決算は経常収益が前期比3%減の159億円、当期利益は2.6倍の17億円。総資産は8625億円という第二地銀の下位行だ。店舗数は64カ店、従業員は914人。

 南日本銀の増資のポイントは鹿児島銀行と宮崎太陽銀行が出資に応じることだろう。鹿児島銀行は肥後銀行(熊本市)と経営統合して15年10月、金融持ち株会社、九州フィナンシャルグループ(FG、熊本市、東証1部上場)を設立した。「南日本銀行と宮崎太陽銀行が、九州FGに合流する布石」(九州地区の有力地銀グループの首脳)と理解されている。

九州地銀は3グループに集約

「三国志の時代」。九州の地銀の勢力地図はこう語られている。戦国時代に大友(豊後=大分県)、龍造寺(肥前=佐賀県)、島津(薩摩=鹿児島県)の3家が激しい勢力争いを繰り広げたことになぞらえている。実際、令和時代の九州の地銀は3グループに集約された。

 最大手はふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)。傘下に福岡銀行(福岡市)、熊本銀行(熊本市)、十八親和銀行(長崎市)を擁する。これを追うのが、南部が地盤の九州FG(肥後銀行と鹿児島銀行)。もう一つが福岡市の西日本フィナンシャルホールディングス(FHD)。西日本シティ銀行(福岡市)と長崎銀行(長崎市)でグループを形成している。

 地銀再編は新しいステージに突入した。20年10月1日、十八銀行(長崎市)と親和銀行(長崎県佐世保市)が合併して十八親和銀行が発足した。菅義偉首相の肝いりの地銀再編のモデル行である。

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