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みずほ銀行、解体論も浮上…4千億円で刷新したシステム、障害続出で制御不能

文=編集部
みずほ銀行、解体論も浮上…4千億円で刷新したシステム、障害続出で制御不能の画像1
みずほ銀行のHPより

 金融庁は9月22日、みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行に、銀行法第26条に基づき、業務改善命令を出した。ATMなどで障害が多発したため、金融庁が同行のシステムを実質管理する。同庁が銀行のシステムの管理に乗り出すのは初めて。みずほに業務改善命令が出るのは2002年に発足以来、3回目となる。

 みずほ銀行で9月8日、最大で100台程度のATMの不具合が起こり、使用できなくなるトラブルが起きた。利用者に影響が出るシステム障害が顕在化するのは今年7度目。ハード機器の故障は3度目だ。

 7度目の故障は預金や送金、外為など複数のシステムの共通基盤部分にあたるディスク装置の問題だという。ATMだけでなくインターネットの取引にまで波及した。2月、3月には全国の過半数のATMが利用できなくなるなどの障害があった。通帳やキャッシュカードがのみ込まれた。6月、再発防止策をまとめたが、8月にも店舗窓口での取引ができなくなったり、一部ATMが利用できなくなったりした。

 さらに9月30日午後、システムの不具合により387件の外国為替取引に遅れが出た。今年8度目の障害である。法人顧客の送金が滞り、一部は翌10月1日に持ち越されたようだ。原因は特定できていない。

 金融庁はみずほ銀行と親会社のみずほFGに対し、8月に銀行法に基づく報告徴求命令を再び出し、1カ月以内に障害の原因やトラブルの経緯の報告を求めた。金融庁は一連の不祥事を重く受け止め、業務改善命令を出す方向で検討してきた。これまでにもたびたび報告命令を出したが、原因の特定には至っておらず、みずほFG、みずほ銀行に検査に入ってから半年を経過する異例の事態となっている。

 7月、金融庁長官に中島淳一氏が就任した。東大工学部卒で同庁初の理系出身の長官だ。金融機関のシステムの安定性の確保やサイバー攻撃への対応といった難題に取り組む。

 中島新体制は、みずほ銀行のシステムトラブルを解決できるかが問われている。「みずほFGの坂井辰史社長の経営責任は避けて通れない」(有力金融筋)。これほどのトラブルを連発させたのに、みずほ行内では「(坂井社長の留任が)グループ全体の総意」などとして辞任を促すような動きはみられなかったという。坂井社長自身、8月20日の会見で「再発防止をしっかりやることが私の責任」と強調。引責辞任に否定的な考えを示している。

 みずほは「金融庁の“本音”を探るべく坂井社長が中島新長官に面会しようとしているが、いまだに実現していない」(有力金融筋)という情報もある。中島新長官が「坂井社長の経営責任を追及し、その首を取ることができるかが試される」事態となっている。

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