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『ラヴィット!』低視聴率で打ち切りも?…麒麟・川島もタジタジのあのちゃん騒動のウラ側

文=藤原三星
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川島明のMCが好評の情報番組『ラヴィット!』(TBS系)。旬の芸人がガチャガチャしすぎて、川島の心地いい低音ボイスが聞こえない! (画像は、TBS公式YouTubeチャンネルのプロモーション動画より)

 お笑いコンビ・麒麟の川島明がMCを務める朝の帯番組『ラヴィット!』(TBS系)。番組開始当初から視聴率1.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど苦戦を強いられ、今も同時間帯の情報番組中断トツの低視聴率が続く。しかし、11月からはTVerにて毎日「見逃し配信」が始まるなど、新たな注目を集めているのも事実だ。

 朝の情報番組を手掛けるある放送作家はこう語る。

「“日本で一番明るい朝番組”を標榜し、4月から始まった『ラヴィット!』。ニュースを一切扱わず、生活情報にこだわりながら芸人率高めなレギュラー陣が朝から大喜利をやりまくるという姿勢を崩さなかったことが功を奏したのか、ネット記事にネタにされることも多く、低視聴率のわりには番組の認知度は高い、との評価を得ています。だからこそ、11月からの見逃し配信が決定したんでしょう。しかし、朝の帯番組が連日TVerで見逃し配信されるというのは異例中の異例。とはいえ、ビビる大木やアンタッチャブル柴田英嗣からミキやアインシュタイン、見取り図などメンツ的には人気芸人だらけだし、鮮度の落ちづらい生活情報をメインとしているので、コンテンツとしては見逃し配信向きだといえる。今後、“スマホでも見られる朝の帯番組”として、より認知度が上がっていく可能性も非常に高いのではないでしょうか。

 また、苦戦を強いられている『ラヴィット!』の応援企画として、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)ではアイドルで元ゆるめるモ!の“あのちゃん”を人気芸人たちが密かに遠隔操作し、大喜利に挑ませるという企画が10月20日にオンエア。千原ジュニア、野性爆弾のくっきー!、笑い飯の西田幸治、霜降り明星の粗品ら大喜利を得意とする芸人たちが「水ダウ」側で回答を考え、それを密かに伝えられたあのちゃんの口から『ラヴィット!』の生放送中にその名珍回答が放たれる……という展開は、当代随一のMC力を持つ川島さんでも戸惑いを隠せなかったほど。あのちゃんはその後11月28日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演、水ダウでの裏側について松本人志さんからツッコまれ、再度ネットニュースのネタにされていましたね(笑)」

 話題となった『ラヴィット!』のその放送では例えば、「浅草の名店七味唐辛子の中には何が入っている?」というクイズに対し、「ほぐした赤LARK」(笑い飯・西田)、「(麻雀牌の)チーソーの赤い部分」(霜降り明星・粗品)、「矢田亜希子さんの削り歯茎」(くっきー!)など、さすがの大喜利回答が頻出。それらの回答がリアルタイムでイヤーモニター越しにあのに伝えられ、訥々とした独特のたたずまいの彼女からそれらの回答が放たれたわけで、何も知らされていない『ラヴィット!』メンバー陣にどよめきが走ったのも無理からぬことだったといえよう。

「普段もクイズコーナーになると大喜利化することでも有名な『ラヴィット!』ですが、やはり早朝の生放送とあってトガッた回答はそこまでは出ず、“悪ノリ”の類の回答がほとんど。なので、あのちゃんの口から発せられたトンガリすぎのハイブロウな回答に直面し、ドッキリと知らない現場の出演者に戦慄が走ったのも当然といえば当然。この状態をなんとか収めようとした川島さんがあのちゃんに、『50歳ぐらいの作家がついてます?』と突っ込んだのはさすがでした。生放送中のこの違和感を、見事に言語化してみせたわけですから。

 今回のドッキリ企画以降、『ラヴィット!』は“悪魔の大喜利番組”としてさらに知名度を上げ、疑心暗鬼となった川島さんもクイズコーナーになると女性ゲストに『一応耳だけ見せてもらっていいですか?』とイヤモニを隠してないか確認するほど。結果『ラヴィット!』にとっても、今回のドッキリ企画はまさに“神回”に化けましたね(笑)」(前出・放送作家)

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歌手、モデルのあの。「ほぐした赤LARK」という回答が秀逸すぎて、「赤LARK」は放送直後にトレンド入りした。(画像は本人公式Twitterより)
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オリコンの「好きな男性アナウンサーランキング」で殿堂入りを果たした安住紳一郎アナ。その安住アナが総合司会に!とあって話題となったわりには伸び悩んでいる『THE TIME,』(TBS系)。『ラヴィット!』ともども打ち切りの危機…? (画像はTBS公式サイトより)

いくら“面白い”とはいえ、このままの低空飛行が続けば『ラヴィット!』の打ち切りは確実

 番組スタートから半年以上が経ち、視聴率はともかく、こうした“異形の存在感”を放ち始めた『ラヴィット!』。しかし、「今の低視聴率のままでは、1年後には番組終了しているはず」と断言するのは、あるテレビ局のプロデューサーだ。

「この枠の前身番組『グッとラック!』は低視聴率が続いて1年半で打ち切りになりましたし、いくらTVerで見逃し配信が始まったとはいえ、地上波の本放送でのこの低視聴率が許され続けることはないはず。『ラヴィット!』は制作協力に吉本興業が名を連ね、MCの川島さんやレギュラー陣である人気芸人のキャスティングも吉本興業への依存度が高い。ゆえに、たとえTBS側が続けたくても、吉本サイドのほうがギブアップするかもしれません。特に見取り図やニューヨークは今が旬な芸人であり、早朝放送の番組は週イチレギュラーでも負担が大きいため、レギュラー卒業となることもあり得るのでは。そういった意味でも、来年3月の改編期に抜本的なリニューアルを図ることはすでに決まっているともいわれています。そしてそのリニューアルの結果次第では、2022年秋に打ち切りになることも十分あり得るでしょうね。

 ちなみに、現在の『ラヴィット!』の低視聴率は、そのひとつ前の時間帯にオンエアされていた『あさチャン!』(TBS系)の視聴率が非常に低かったことにも大きな原因があると思われるのですが、夏目三久の卒業とともに『あさチャン!』は終了、この10月からは安住紳一郎アナがMCを務める『THE TIME,』が鳴り物入りでスタート(金曜日のみMCは香川照之)。『ラヴィット!』にとってもこれが追い風になるかと思いきや、今のところ『THE TIME,』の視聴率は個人でも世帯でも同時間帯で最下位で、むしろ『ラヴィット!』の足を引っ張っているともいわれる始末。安住さんという人気アナでさえ苦戦するのが朝の時間帯なわけで、『ラヴィット!』も川島さんのMC力や人気にばかり頼らず、番組自体を見つめ直し、より視聴率が取れるような番組へと抜本的に生まれ変わらせる必要があると思いますけどね」

 ニュースを一切扱わず、MC川島明の抜群の“仕切り力”を前面に押し出した独自のスタンスで戦っている『ラヴィット!』。そのオリジナリティを愛するお笑いファンも多かろうが、それゆえにこそ、この番組が真の意味でお茶の間に受け入れられる日はまだまだ遠いのかもしれない。

藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

Twitter:@samsungfujiwara

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