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『ラヴィット!』をTBSは2年は打ち切れない…“芸人の大渋滞”をさばく麒麟川島の今後

文=藤原三星
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3月29日より放送を開始したTBSの『ラヴィット!』。毎朝8時からの2時間生放送されているが、視聴率は低空飛行を続けており……。(画像は、TBS公式YouTubeチャンネルのプロモーション動画より)

 お笑いコンビ・麒麟川島明(42)が“TBSの朝の顔”になって早2カ月。彼がMCを務める現在放送中の帯番組『ラヴィット!』は、満を持してスタートした3月29日の初回視聴率でさえ2.7%で、4月9日には過去最低の1.1%を記録(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)。同時間帯でトップを独走する『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)は2020年の年間世帯視聴率でも10.6%を叩き出しており、これと比べると『ラヴィット!』は、相当水をあけられた格好となっているわけだ。

 なぜ『ラヴィット!』はここまで苦戦を強いられているのか? 朝の情報番組を手がけるある放送作家は、こう語る。

「端的にいえば、番組として“うるさすぎる”んですよ。低音ボイスでテンポよく仕切る川島さんをメインMCに持ってきたのはいいのですが、レギュラー陣がやいのやいのうるさすぎて、川島さんの声をかき消すほど。朝の帯番組なのにこの“ノイズ”というのは、ちょっと生理的にチャンネルを変えたくなりますよね(笑)。

 その原因として、『レギュラー陣に芸人が多すぎ』というのは誰もが思うところでしょうが、特に見取り図やニューヨーク、そして隔週レギュラーで入っている第七世代のミキ、東京ホテイソン、EXITらが『とにかく結果を出さなきゃ』とばかりに前へ前へ出すぎている。まぁ、第七世代はまだ人気があるから画面映えはするのですが、大阪から出てきたばかりの見取り図や、やたら斜に構えて毒舌ぶるニューヨークはとりわけ“ノイズ感”が強い。彼らに加えて他の芸人やアイドルもいるわけですから、そりゃうるさくて当然です。視聴率を上げるなら、まずはこの芸人の大渋滞をなんとかしたほうがいい」

18年間も続いた“TBSの朝の顔”『はなまるマーケット』を思い出すべきではないか

 確かに、ほかにも馬場裕之(ロバート)、ぼる塾、ビビる大木、柴田英嗣(アンタッチャブル)、石田明(NON STYLE)、くっきー!(野性爆弾)、太田博久(ジャングルポケット)らが曜日ごとにレギュラー陣として配置されているため出演者における“芸人比率”が異様に高い同番組。各曜日、少なくとも3人以上の芸人がレギュラーとして出演していることになるのだ。

「さらにその他の芸人がゲストとして出演することも珍しくないので、“芸人比率”は間違いなく同時間帯のトップ。朝から、ほぼ『アメトーーク!』状態だともいえます(笑)。そもそも芸人は夜行性。深夜にロケがあったりネタを作っていたり、コロナ前だと朝まで飲み歩くというのが彼らの習性のようなものだった。なので、朝から面白いことを言うなんて、松本人志さんですら難しいと思うんですよ。その結果、面白い言葉も浮かばず、勢いだけでやいのやいのやってしまう。生放送で、あれだけ大人数の出演者のなかで……という状況で、彼らも“結果を出そう”としてついつい空回ってしまうんでしょうね。

 TBSとしては、『ビビット』や『グッとラック!』でやっていた“ワイドショー路線”をあきらめ、『はなまるマーケット』のような“生活情報バラエティ”に回帰しようとして『ラヴィット!』を開始したはず。実際、『はなまるマーケット』はTBSの朝の顔として18年も続いたわけですから、もっと参考にすべきではないでしょうか」(前出・放送作家)

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『ラヴィット!』前の朝6時から8時まで放送中の『あさチャン!』は、MCの夏目三久が有吉弘行との結婚を機に芸能界引退を発表したため、10月からは安住紳一郎アナの新番組が始まることに。果たして『ラヴィット!』にとって追い風となるか? (画像はTBS『あさチャン!』公式サイトより)

『あさチャン!』夏目三久の引退、10月からの安住紳一郎アナの新番組は“朗報”

 かように、番組開始2カ月で早くも暗雲が立ち込めている同番組。このまま低空飛行が続くと、早期の打ち切りも……。あるテレビ局のプロデューサーはこう明かす。

「帯番組をゼロから立ち上げるには相当な予算がかかるので、年内の打ち切りはまずあり得ないと思います。このまま低視聴率が続き、1%を下回る日が出てきたりすると、川島さんが所属する吉本興業のほうからギブアップされる可能性もないではないですが、少なくともTBSサイドとしては、最低でも2年は続けるつもりでしょう。

 しかし、早期のテコ入れは必要だと僕も思います。ひとつは芸人を徹底的に少なくして、ジャニーズや2.5次元俳優など、主婦層がドキドキできる人材を入れてみること。今の布陣だと“渋滞芸人”たちがうるさすぎて川島さんの妙味が消えてるので、“非お笑い色”をどんどん高めていくべきかと。

 ちなみに、『ラヴィット!』の低視聴率は、その前の時間帯にオンエアされている『あさチャン!』も、同時間帯の番組中最下位だということにも大きく影響されているんですよ。よくいわれる通り視聴率というのは“つながる”もので、前の番組の視聴率がよければ、その次の番組も継続して観られやすいですから。

 で、その『あさチャン!』のMCの夏目三久さんが芸能界引退を発表したため、10月からは安住紳一郎アナの新番組が始まることが発表されました。安住さんの番組は高視聴率が予想されるため、『ラヴィット!』にとってはかなりの追い風になるはずです」

 果たして10月からの巻き返しなるか? 援軍が来るその日まで、麒麟川島のバランスのいいMC力でなんとか持ちこたえてほしい。

藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

Twitter:@samsungfujiwara

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