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ブリヂストン、凄まじいリストラ、滲む危機感…8千人転籍、工場4割を閉鎖・売却

文=編集部
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「Wikipedia」より

 タイヤ国内最大手のブリヂストンが大規模な人員削減に踏み切る。防振ゴム事業を中国企業に、自動車部品などの化成品ソリューション事業を投資ファンドに売却する。国内外で22カ所の事業所を譲渡し、従業員約8000人に転籍を求める。国内では全体の従業員の1割弱、3000人弱拠点の2割強にあたる11カ所が移ることになる。

 2021年2月、「23年までに世界約160カ所の工場のうち4割を閉鎖・売却などで削減する」計画を打ち出した。石橋秀一取締役最高経営責任者(CEO)は「過去の課題に正面から向き合う。やれることはすべてやる」とリストラへの覚悟を示した。

 事業構造の変革を急ぐ背景には、中国勢など新興タイヤメーカーの追い上げがある。中国・中策ゴムや韓国ハンコックタイヤなどが低価格品を武器に台頭。米業界誌「タイヤビジネス」によると、ブリヂストンの世界シェア(売上高ベース)は、00年はシェアトップの20%だったが、14年には14%に下がった。19年には仏ミュランに敗れ、2位に後退した。

 ブリヂストン、仏ミシュラン、米グッドイヤーの3強で世界のタイヤ市場を寡占状態にしてきたが、新興勢に均衡が破られた。新興勢力は2000年に43%だった世界シェアを20年には64%にまで拡大した。ブリヂストンは激しいシェア争いに巻き込まれ、タイヤ事業の採算が悪化した。

 売上高営業利益率は15年12月期は14%(日本基準)だったが、20年同期には7%(調整後営業利益率、国際会計基準)と半減した。業績を牽引してきたタイヤ事業の収益性の低下で、不採算事業の“外科手術”は待ったなしとなった。乗用車や鉱山機械など、過去に積極投資してきたタイヤの生産能力の増強が重荷になった。南アフリカ、フランス、中国など農機やトラック・バス、乗用車向けのタイヤ工場の閉鎖を決めた。

 自動車のエンジン向けなどに使われる防振ゴム事業は中国・安徽省の企業に7月に売る。自動車のシートパッドなどをつくる化成品ソリューション事業は投資ファンド、エンデバー・ユナイテッド(東京)に8月に売却する。防振ゴム事業の20年の売上高は544億円、化成品ソリューションは557億円だった。

 この2つの事業の従業員は7886人でグループ全体(約14万人)の6%弱にあたる。このうち国内は2773人である。従業員は売却先の企業に転籍してもらう方針だ。譲渡する国内の拠点11カ所とは別に、今回の事業売却に伴い閉鎖が決まっている工場もある。埼玉、静岡、岐阜、香川の2事業関連の4工場は23年までに閉じる。19年時点で約160カ所あった国内外の生産拠点を23年までに4割減らす。

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