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町田徹「見たくない日本的現実」

羽田空港で業界唖然の「事件」 ANAのスカイマーク「骨抜き」を許す国交省の偏重行政

文=町田徹/経済ジャーナリスト

 3月4日付本連載記事『ANAスカイマーク支援に重大な懸念 羽田枠でシェア突出、早くも運賃値上げの兆候』でも指摘したが、航空運賃が高騰するリスクや、就航する路線が混雑路線中心になり、地方が切り捨てられるリスクが高まるからだ。不利益を被るのは、国民・利用者にほかならない。

 国交省は直ちにANAHD優遇の航空行政を改めて、国内航空市場の競争促進に舵を切るべきだ。新規参入を促すために、すっかり2社寡占が定着してしまった羽田の国内線発着枠開放が不可欠なことはいうまでもない。この発着枠は本来、航空法で5年に1回、状況をチェックして配分し直すことになっていながら、これまでその規定が有名無実化していた。

 ANAHDが保有している新興航空会社株を強制的に放出させて、その従属関係を断ち切るとか、ANAHDの羽田空港発着枠のシェアがJALのそれより突出している20%分を取り上げて、新規参入者に付与するといった荒療治が必要だ。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

 

町田徹/経済ジャーナリスト

町田徹/経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
1960年大阪生まれ。
神戸商科大学(現・兵庫県立大学)卒業。日本経済新聞社に入社。
米ペンシルべニア大学ウォートンスクールに社費留学。
雑誌編集者を経て独立。
2014年~2020年、株式会社ゆうちょ銀行社外取締役。
2019年~ 吉本興業株式会社経営アドバイザリー委員
町田徹 公式サイト

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