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メチャクチャ運営騒動のツタヤ図書館、共同事業者を激怒させたツタヤの問題行動

文=佐伯雄大

メチャクチャ運営騒動のツタヤ図書館、共同事業者を激怒させたツタヤの問題行動の画像1海老名市立図書館(「Wikipedia」より/Araisyohei)
 神奈川県・海老名市立図書館の共同運営をめぐって対立していたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と図書館流通センター(TRC)が、そのすったもんだを謝罪する文書を海老名市の内野優市長宛てに提出し、2019年3月末の指定管理の契約期間満了まで協力して運営していくことを表明した。先月30日に開かれた定例会見で内野市長が明らかにした。TRCはこれまでCCCを痛烈に批判し、共同企業体の解消も視野に入れていた態度を一変し、両社は和解した。その裏で何が起きたのか。

 事の発端は、先月1日に海老名市立図書館がリニューアルオープンしてから4日後の同月5日に遡る。TRCはCCCに対して、協業関係を解消するとともに今後も連携しないことを伝達したという。折しも、その前日にはタイ・バンコクの風俗店情報を掲載した図書を蔵書していたことが市議会議員の告発で発覚したと報じられていた。

 図書館関係者は次のように話す。

「海老名市立図書館(分館の有馬図書館も含む)は、13年からTRCが指定管理業者として運営を受託し、14年からは5年契約でCCCとの共同企業体が運営することになった。その背景には、CCCが運営する武雄市図書館(佐賀県)に感銘を受けた内野市長の意向があり、当初はCCCの増田宗昭社長とTRCの石井昭社長のトップ会談で友好的な協業関係を構築していた。TRCはCCCの生み出す集客力に、CCCはTRCのこれまでの経験や実績をそれぞれ評価していたようだ。それがたった1年で険悪な関係になるとは思っていなかった」

 また、別の図書館関係者は語る。

「この1年でTRCの態度が180度変わったのは、CCCに問題があったようだ。共同企業体といえば聞こえはいいが、筆頭企業であるCCCが、パートナーであるはずのTRCをまるで下請け業者のように扱ったことが石井社長の逆鱗に触れたようだ。10億円近くかけて改装した立派な中央図書館の選書・蔵書・運営というおいしいところはすべてCCCが持っていき、TRCは分館である公民館図書室規模の有馬図書館を運営することになった。図書館業界で長く実績を築いてきたTRCにとってはこの上ない屈辱で、業界の生き字引的存在である石井社長にとっては許せなかったのだろう。その怒りが爆発するきっかけとなったのが、4日の蔵書問題発覚だった。その少し前には愛知県小牧市がCCCとTRCの共同企業体による新図書館構想を白紙撤回したこともあり、これ以上CCCのとばっちりを食うのを避けたいと考えて、5日にCCCに協業解消を申し入れたのです。その時点で石井社長はマスコミ向けに発表することも考えていたが、周囲が抑えたようです」

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