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LINE側の言い分としては、「銀行との間で保全契約を締結して資産保全している」という。そうであれば、わざわざ財務局と言い争う必要もない。供託は、財産没収ではなく自分の資産の一部を別管理するだけのことであるので、もともと企業経営に影響はないはずだ。カネがないのは論外であるが、そうでなければ供託はまったく問題にならなかった。
LINE側は「本件が当社の財務状況に与える影響は軽微であります」と発表しているが、この表現はかなり気にかかる。今のようなマイナス金利ではさほど効果はないが、通常であれば商品券・プリペイドカード、さらにはゲーム上の「通貨」は、事実上無コスト資金調達なので、かなり儲かる商売になる。しかも、これらのゲーム上の「通貨」などは未使用になる部分も多く、これはすべて発行者の儲けになる。
前述した経理処理からわかるように、本来の消費者保護の観点からいえば、未使用額全額を供託させてもいいくらいだ。それを現行の資金決済法は「大甘」で半額の供託義務を課しているだけだ。にもかかわらずLINEは供託を拒むとは、痛くもない腹を探られはしないか。今夏前にも上場予定との観測も強いが、このままでは注意信号だろう。
(文=高橋洋一/政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授)
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