「食べ放題」という響きに心躍らせる人は多いだろう。制限時間が設けられている場合が多いが、一定の金額を支払えば好きなメニューを腹と心が満たされるまで食べられる……というシステムは魅力的だ。
たとえば、焼肉の食べ放題。自分の好きな部位だけをひたすら焼くのもいいし、「カルビは安定のおいしさだけど、せっかくだから、普段はあまり食べない内臓系も試してみよう」といった具合に、変化をつけてみるのもおもしろい。食べ放題には食べ放題ならではの楽しみ方があるというわけだ。
さて、インターネットの口コミから火がついた食べ放題の店がある。その名も「拉麺ビュッフェBUTA」。今年3月、珍しい「ラーメン食べ放題」をうたう店が東京・浅草にオープンしたのだ。
いったい、どのようなシステムなのか。人並みにラーメン好きな筆者が、日頃から“二郎系ラーメン”などで胃袋を鍛えている友人を連れて、実際に店を訪ねてみた。
制限時間は30分、前金制で1人1058円
春雨が降る4月の平日夜。「BUTA」は、つくばエクスプレス浅草駅のA1出口からすぐ(徒歩約1分)の国際通り沿いに店を構えている。
入店すると、縦長のカウンター席がまっすぐ一列に伸びている。左手にはビュッフェコーナーがあり、ラーメン用と思われるトッピングの数々が所狭しと並べられている。通常のラーメン店なら、その場所に券売機が置かれていてもおかしくないだろう。
入り口に立つ筆者たちのもとへ、男性店員が先客たちの後ろを通りながら案内に来てくれた。「当店のご利用は初めてですか?」と尋ねられたので首を縦に振ると、システムの説明を始めてくれた。
制限時間は30分で、まずは入り口のビュッフェコーナーで好きなトッピングを皿に取って席に着く。前金制となっているため、1人1058円(税込み)をカウンター越しに支払い、麺の固さの希望(バリ、カタ、普通、ヤワの4種類)を告げる。
ラーメンが配膳されたら、事前に用意しておいたトッピングを自分なりに盛りつけて食事スタート。麺がなくなったら替え玉を注文し、スープがなくなったらラーメンごとおかわりする。追加でトッピングがほしくなったら、再び入り口まで取りに行く……。これが、30分の大まかな流れになっているようだ。
自分好みのラーメンを追求できる幸福感と愉快さ
説明を聞き終わり、すぐにビュッフェコーナーを物色する。定番のトッピングのみならず、グリーンサラダや彩りナムルなどの野菜料理も充実している。
隣のコーナーには、白米や「無くなり次第終了」という肉飯まであるではないか。もはや、ラーメンがなくともご飯と総菜の食べ放題だけで成り立ってしまいそうだ。オリジナルの丼ものをつくるもよし、とことんヘルシーに済ませるもよしなのだろう。