ビュッフェコーナーにはシンプルな小皿と三連皿くらいしか見当たらず、大量のトッピングを一度に席に運ぶのは難しそうだった。「最初は様子見でいいだろう」と判断した筆者は、三連皿に豚ももチャーシュー、豚の角煮、味付たまごを少量ずつ取って乗せる。追加で肉飯とオレンジジュース、それに割り箸を用意して着席した。
会計を済ませ、麺の固さは「普通」でお願いすると、ほどなくしてラーメンの器が手渡された。スープは一目見て「豚骨だ」とわかる色合いで、ラーメン自体はこの1種類のみ。麺量は60gで、通常のラーメンの「半玉」にあたる量だ。
ちなみに、筆者たちの後に訪れた来店2回目だという客は、替え玉の麺の固さを伝える際に「ダブルで」と一言添えていた。そうすると、麺を1玉(120g)で提供してもらえるため、頻繁に替え玉を頼む客にとっては時間短縮になるのかもしれない。
さて、1杯目は三連皿のトッピングにまったく手をつけず、“素ラーメン”としていただくことにした筆者。残念ながら、食べるスピードはそう速くないため、友人に遅れを取って替え玉を頼んだ。
替え玉を待つ間に肉飯を口へ運ぶも、食べ切る前に新たな麺が届き、すかさずラーメン2杯目に突入。チャーシューやたまごをスープに浸してみたり、豚の角煮をおかず感覚でつまんでみたりしているうちに、「これは楽しいぞ」という幸福感が込み上げてくる。
なにせ、自分が今食べている具材のほかにも、ビュッフェコーナーにはまだまだ多数のトッピングが待っているのだ。店内の掲示ではトッピングの組み合わせ例がいくつも紹介されているし、この店では自分好みのラーメンをいくらだって追求できる。もう、愉快で仕方なかった。
最高記録は男性20杯、女性14杯
また、いい意味で期待を裏切られたのはスープのできである。この店はもともと「くるめや」という久留米ラーメンの店で、今年3月にリニューアルして現在の店舗形態になったとのこと。
くるめやの本店は東京・新橋で現在も営業中で、「BUTA」でも本格的な豚骨スープが使われている。食べ放題向けにクオリティを落としているわけではないのだ。
筆者は3杯目以降もトッピングをあれこれと試行錯誤。終盤にはラーメンの器ごとビュッフェコーナーに持って行き、取り皿を使わずに具材をダイレクトに投入するという荒業に出てしまったのだが、それでもスープの色はほとんど濁らない。麻婆豆腐やホルモン炒めといったクセの強いものを混ぜても、スープ本来の味が保たれていたのだ。