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MARCHから大企業に入ると「底辺扱い」は本当?国立大・早慶卒に勝つ方法

文=Business Journal編集部
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青山学院大学の公式サイトより

 周囲からそれなりに優秀だと評価されてきたMARCH出身の新入社員が、早慶や国立大学の出身者だらけの大企業に就職して“落ちこぼれ”扱いされても心が折れないよう指南するSNS上の投稿が一部で話題を呼んでいる。そもそもMARCHレベルの大学出身者は大企業ではそのような扱いをされてしまうというのは事実なのだろうか。また、MARCH出身者はどう乗り越えていけばよいのだろうか――。

 元銀行員とみられるあるX(旧Twitter)ユーザは先月、次のように投稿。

<MARCHあたりの出身者は、名門高校の落ちこぼれじゃない限り、バイト先や同級生の中での精神的な序列は「そこそこ」の位置を占めていたのではないかと思います。超一流じゃないけど、それなりに賢い人として扱われてきたはず>

<しかし、石を投げれば早慶以上に確実にヒットする大企業ではそうはいきません。言ってみれば、MARCHなんて旧帝大や早慶上智がマジョリティの会社では「中卒」でしかありません>

 これが一部で話題となり、さまざまな反応が寄せられている。MARCHとは、私立大学の「序列」で早慶上智(早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学)に次ぐ難関大学に位置付けられる関東の大学群であり、具体的には明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学を指す。予備校各社から発表されている私立大学の学部系統別の偏差値ランキングをみると、個別の学部によって難易度にバラつきはあるものの、大学単位でみた場合、トータルすると早慶上智の次にくるのがMARCHという分け方は、概ね実態に即しているといえる。

 MARCH出身者の就職先は悪くない。例として明治大学をみてみよう。

●明治大学の2022年9月・23年3月卒業生の主な就職先(同学の公式サイトより一部抜粋)
 ※()内は人数

 ・法学部
  みずほフィナンシャルグループ(4)
  富士通(3)
  三菱UFJ信託銀行(3)

 ・商学部
  NEC(日本電気)(10)
  三井住友信託銀行(9)
  NTTドコモ(8)
  みずほフィナンシャルグループ(7)
  監査法人トーマツ(6)
  あずさ監査法人(6)
  第一生命(4)
  リクルート(4)
  アクセンチュア(5)

 ・経営学部
  明治安田生命保険(5)
  アマゾンジャパン(4)
  NTTデータ(3)
  パナソニック(2)    
  三井住友海上火災保険(1)

 ・理工学部
  トヨタ自動車(6)
  本田技研工業(6)
  ソニーグループ(5)
  日立製作所(11)
  三菱電機(11)
  日本IBM(5) 

 上記以外の学部でもNHK、日本航空(JAL)、電通、日本生命、サントリーグループ、東京海上日動火災保険といった大企業がみられ、4大総合商社を除けば概ねどの業界でもトップクラス企業への門戸は開けているといっていい。それだけに「MARCHの学生」と言えばアルバイト先の同僚や親戚、知人などから“それなりに優秀な子”とみられてもおかしくはない。

MARCH出身者だからという理由で尊敬されることはない

 では、そんなMARCH出身者が大企業に入ると肩身の狭い思いをするということはあるのだろうか。転職エージェントはいう。

「事務系の総合職に限った話として、メガバンクや総合商社、上位の自動車メーカー、一部の大手マスコミや大手食品メーカー、鉄鋼や重電など伝統のある名門大企業で採用数が少ない企業など、MARCHやそれ以下の大学の出身者が少ない企業というのは確かに存在します。そうした企業では東大・京大をはじめとする国立大や早慶の出身者ばかりであり、最上位大学出身者とそれ以外の大学の出身者の入社式を分けるなど、社内での扱いや位置づけを明確に分けて、分かりやすい表現を使えばMARCHクラス出身者を“兵隊扱い”する企業というも少なからず存在します。当然ながらそういう企業では『MARCHだから』という理由で尊敬されることはありません。ちなみに外資系金融機関の日本法人では採用の最低ラインが早慶に設定されているところが多く、早慶出身者ですら底辺扱いなのが現実です。

 次に大手電機メーカー、大手IT企業、保険・証券・不動産業界の中位以下の企業では、国立大や早慶は多いもののMARCHも多いので、こちらもMARCH出身者だからという理由で尊敬されるということはないでしょう。

 そして上記以外の業界・企業では採用で学歴はあまり考慮されず、純粋に仕事上のパフォーマンスで評価されるため、こちらもMARCH出身者だからという理由で尊敬されるということはない。つまり総じていえば、東大・京大など旧帝大や早慶ならまだしも、ビジネスの世界でMARCHクラスの大学を出たからといって、それだけで尊敬されるといったことはないと考えたほうがよいです」

東大卒と違う土壌で戦う

 もっとも、MARCH出身者がその現実を悲観する必要はまったくないという。

「まず、MARCH出身者が国立大卒や早慶卒がゴロゴロいるような大企業に就職できたということは、企業側から『この学生であれば採用していい』と判断されたということなので、それなりには優秀である可能性が高い。そして当然ながら採用選考において自分が受かった企業に落ちた国立大や早慶の学生は存在するので、学歴を理由に自分を卑下する必要はまったくありません。

 一部の大企業では採用時の学歴フィルターが存在するのは事実ですが、いったん企業に入ってしまえば、基本的にはどこの企業でも仕事における実績で評価されるし、仕事で必要な能力に国立大・早慶とMARCHの出身者の間に大きな差があるかといわれれば、それほどない。ただ、今の時代は社会人になってからも継続的に勉強をすることが求められます。今の自分の仕事内容や立ち位置、そして将来進みたい道筋を踏まえて『今、自分が何を勉強すべきか』を考え、お金と時間をかけて勉強するということが、定年まで今の会社にいることになろうが将来的に転職することになろうが、ビジネスパーソンとしての価値を大きく左右することは間違いありません」(同)

 また、大手メーカー管理職の男性はいう。

「金融、エネルギー、重電、ゼネコンや中央官庁相手の業界・職種では東大コネクションがあるというのは武器になるので有利な面があるでしょう。またAIやデータサイエンスなどITのなかでも高度領域では東大の修士や博士があると海外のトップクラスの企業や研究機関、人物にアクセスしやすくなります。一方で当然ながら、そうした肩書や人脈がまったく必要でない仕事のほうが多いので、MARCH出身者は彼らとは違う土俵で戦うことを意識すべきです。

 近年ではお金に余裕のある世帯の子どもが小学生の頃から塾に通い、難関中学に入った後も塾に通って東大に入るという流れがパターン化しています。それに対し、MARCH卒の子は中学や高校で部活に励んだり一時期は遊びにハマったりと、多様な経験を経ているという印象があります。MARCHに入れたということは、それなりに学力は高いということでもあるので、『自分はビジネスパーソンとして何を武器にして生き残っていくか』ということを常に考えて、意識的に必要なスキルなりを身につけていくことが成功への近道ではないでしょうか」

(文=Business Journal編集部)

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