変なホテル、泊まったらヒドかった…コストカット優先で客を動き回らせる、顧客目線ゼロ
7月×日 「変なホテル ハウステンボス」
JR九州大村線のハウステンボス駅からハウステンボス入場口まで徒歩10分。駅からは歩道しかないので、思ったより歩かされるというのが第一印象だ。さらに、入場口付近のタクシー乗り場の案内板によると、変なホテルはそこから10分以上かかるので、タクシーに乗ったほうがいいとある(乗車料金は500円)。ところが、タクシーに乗ると数分で「変なホテル」につく。なんだかいきなりボラれた気分だ。
期待は受付対応の恐竜、ところが、受付の恐竜は機械式で動くばかりで、特に役に立つわけではない。客が目の前にあるタッチパネルでサイン認証することで、ルームカードキーを発行してもらえるシステムになっている。インターネットでの申し込み時にクレジットカードで精算も済んでいる。つまり、受付の恐竜は飾りにすぎないのだ。
部屋はロビーのある建物から離れたいくつかの棟に分かれており、部屋に行くまでに屋外を行ったりきたりする必要がある。雨が降ってきたので、急いで部屋に向かわなくてはならない。さらに驚くべきは、部屋のある棟がプレハブなのだ。内装はラグジュアリーホテル風になっていて快適だが、問題は朝食だ。朝食はハウステンボスに隣接したレストランまで屋外を歩かなくてはいけない。雨となれば、朝食をとるために傘を差して行かなければならないというのは億劫だ。しかも朝食は無農薬がウリとなっている。もちろん悪くはないが、宇宙関連のフードやロボット食が出てくるようなイメージだったので、やや拍子抜けだ。
また、部屋でアイロンや加湿器を使用するためにはロビー棟まで借りに行かなくてはいけないのだ。「変なホテル」とは「世界一生産性の高いホテル」を目指しており、従業員は最小限。宿泊客が自ら動き回らないといけないのだ。
困ったのは深夜だ。部屋には、すべての客室に設置された人工知能(AI)搭載のコミュニケーションロボットがあり、「ユーザーの声を認識し、空調や照明の調整、テレビのチャンネル切り替えなどをサポートしてくれるほか、簡単な会話も楽しむことができる」とあるが、深夜にインターネットを閲覧して、しばらく身体を動かさないでいると照明を勝手に落とされて真っ暗になってしまう。なんとも、経費節減を重視したAIだ。
翌朝のチェックアウトは、ルームカードキーを受付で返却するだけで終了。最近、ビジネスホテルで増えてきた、ルームカードキーをただ機械に差し込むだけのタイプだ。フロントでタクシーを呼んでくれるかと思いきや、自分で呼ばなければならない。宿泊客は日本人家族連れとアジア人カップルが多い印象だった。