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世界的に金銭からビットコインへの置き換えが本格化…金銭や銀行の必要性低下

文=中西俊晶/A4studio
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「まずは、その安全性でしょう。暗号化されているため、ハッキングされて盗まれる心配がありません。2014年に起きたマウントゴックス事件のようにビットコインを盗まれた例は、取引所の保管システムが安全性を欠いていただけで、ビットコインそのものの問題ではありません。

 ポータビリティー(持ち運び性)の面でも大きなメリットがあります。通貨史において、持ち運びやすさというのは一番重要な要素で、そもそも紙幣が発明されたのは硬貨の持ち運びづらさが要因です。今はクレジットカードの登場によって、紙幣すら持ち運ぶ必要がなくなりましたが、カード情報を盗み取られるリスクを抱えている点では不完全です。

 しかし、ビットコインであれば不正利用される恐れもなく、自分のスマートフォンかパソコンさえあれば使うことができますから、今後はクレジットカード、ひいては現在の通貨システムに取って変わる可能性があるといえるでしょう。

 さらに、自分のスマホかパソコンがあれば利用できるということは、銀行を介した金銭のやり取りが必要なくなるということでもあります。ですから、銀行を介するハッキングのリスクなしに自分の元から相手の元へ瞬時に、かつ手数料なしで送金することができるのも大きな利点です。

 こうした点から、アメリカをはじめとする諸外国では、ビットコインが国レベルで認可されており、税金をビットコインで納められるところも増えていますし、イギリスでは年金をビットコインで支払う研究が進められています」(同)

 世界中がビットコイン研究に躍起になっているのは納得のいくところだ。ただ、日本ではビットコインにマイナスイメージを与えるような事件ばかりが注目されている印象がある。記憶に新しいところだと、先述したVALU事件が挙げられる。この件について石角氏の見解を聞いた。

「VALUは、株式会社の株をデジタル化したようなシステムゆえ、手続きが容易なビットコインが使われたのだと思います。ただ、そもそも個人の価値という価格の変動が激しいものを、VALUとして世の中に売っていくのは極めて危険性が高いことですから、このような事件が起きるのは必然といえるでしょう。ビットコイン自体にはなんの問題もないのに、このようなサービスに活用されると、『だからビットコインは危険だ』という思い込みを助長することになってしまうでしょう。

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