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成人誌が8月末でコンビニから完全撤去…性が排除されるほど“不快な性”が増える矛盾

構成=編集部
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――それはそれでいいですけど、歓楽街は味わい深かったですね。

比嘉 もうないですが、私が好きな歓楽街に洲崎遊郭があります。今の江東区東陽町で、タワーマンションが並ぶウォーターフロント地区になっているけれど、56年に売春防止法ができるまでは有名な遊郭でした。出島のような埋立地で、みんな船で通ってくるんです。

 大正時代には2000人くらいの女性がいたそうで、戦後も焼け跡から「洲崎パラダイス」がつくられて、100軒のカフェーに500人以上の女性がいたんですね。永井荷風や泉鏡花が来ていたことでも有名だけど、近くの千葉の漁師たちの憩いの場だったんです。海の荒くれ者たちを癒やしてくれる場所で、吉原と双璧をなしていました。

 もう、絶対にああいう街は生まれないでしょうね。それは男としてさびしくもあります。もはや、男中心では経済は回らないといってもいいんじゃないかなあ。

これからは手売りで読者と対話する時代に?

――これから成人誌はどうなっていくのでしょうか。

比嘉 ネットが使える若い人は読まないでしょうが、これからの高齢化社会ではまだニーズはあると思いますよ。コンビニからの撤退が象徴しているように、日本ではわいせつなことは「悪いこと」にされています。いつからこうなってしまったのでしょうね。

 70年代くらいまでは街なかにポルノ映画のポスターが貼ってあったし、深夜のお色気番組も90年代くらいまではけっこうありました。昔のエロは明るくて、かわいかったですよね。今の成人誌は過激さばかりが目立ちます。

――確かに、コンビニで成人誌が置かれている通称「五番棚」のラインナップは、ズバリなタイトルと過激な写真が目立って、女性には不快でしょうね。

比嘉 そうですね。でも、性の文化はもっと尊重されるべきだと思います。性をよくないこと、恥ずかしいこととして否定するのには反対ですね。同じように高齢化が進んでいるほかの先進国では、性と福祉はセットですよ。おとなのおもちゃも、今やヨーロッパのほうが進んでいます。

 さすがに児童ポルノはダメだけど、それ以外はもう少しおおらかでいいと思います。たとえばコンビニも「おとな仕様」の店をつくって成人向けのものを売るとか、そういう工夫も必要じゃないかなと思います。

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