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太陽光発電施設でケーブル盗難が急増…窃盗を封じる画期的な商品の特徴とは?

構成=Business Journal編集部
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アースコム丸林信宏社長(左)とタレント・女優の岸明日香さん(撮影=名和真紀子)

 太陽光発電施設のケーブル盗難の件数が、特に関東各県で急増している。さまざまな防犯機器が普及していても、窃盗グループは防犯機器を破壊したうえで、ケーブルを盗難して、約5分で現場を立ち去ってゆく。この難題を解決しつつあるのが、鋼板で施設全体を囲いこむ「サンキーパー」という商品で、電力会社や警察署の意見を取り入れて開発された。

 開発・販売するのは太陽光・風力発電所のシステムインテグレータ―のアースコム(埼玉県越谷市)。窃盗の現況やサンキーパーの優位性について、同社の丸林信宏社長にタレント・女優の岸明日香さんが切り込む。岸さんは、テレビドラマ『警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜』(テレビ東京系)に刑事役でレギュラー出演した経験を持つ。

――太陽光発電施設のケーブル盗難で、どのぐらいの被害が発生しているのでしょうか。

丸林 茨城県内だけで2024年1~7月の被害総額は2億7000万円で、50キロワットの低圧1区画1件当たりの被害額は約70~120万円です。

岸 え~! そんなに多いんですか!

丸林 5月5日付「読売新聞オンライン」によると被害件数は、茨城県が2022年の631件から2023年に1675件に増え、栃木県は412年から1112件、群馬県は133件から1108件、千葉県は191件から1078件に増えました。

岸 すごい数字ですね。

丸林 1件当たりの被害額は平均100万円で、今までは損害保険でカバーしていましたが、さすがに保険会社にとっても厳しい状態になってきて、各保険会社とも今年からは契約の更新のたびに保証の対象から外す動きに出ています。対象にするとしても、免責100万円に設定しているので、被害者はほぼ自腹で修復しなければなりません。高圧の発電設備の被害額は2000~3000万円や、多いと1~2億円に及びます。

岸 1回、銅線を切られただけで?

丸林 1回切られただけで、それだけの被害額が発生しています。しかも銅線の入荷に3カ月はかかりますし、修復工事には1~2週間かかるので、その間にも損失が発生します。

岸 桁違い過ぎて、想像を超えていますね。

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――太陽光発電の設置場所は人家から離れていて、夜間になるとクルマもあまり通らず、防犯カメラも設置されていないエリアが多いですね。

丸林 はい。設置場所は遊休地や休耕地が多いので、人目に付きにくく、盗みやすい環境にあります。しかもケーブルはむき出しになっているので、盗みやすいのです。

岸 盗んでから売るんですか?

丸林 売っています。

岸 売った時にバレないんですか?

丸林 電線を買い取っている業者に持ち込まれた際に、出所の確認ができないんですよ。

岸 なるほど。

丸林 電線に製造番号が書いてあるわけでもなく見分けがつかないので……。買い取る側も盗難品なのか見分けられないのが実情です。ただ、警察の取り調べを受けたり、会社の評判にもかかわったりするので、会社によっては少し疑いがあれば取り扱っていません。

岸 窃盗グループにはどんな人が多いんですか。

丸林 東南アジア人が多いと聞きます。観光目的で日本に来て、盗んだケーブルを金に換えたら、すぐに帰国してしまうのです。最近は日本人の窃盗グループも登場しているようです。

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――犯罪者は音と光に弱いといわれていますが、防犯機器も効果がないのですか。

丸林 我々も自社の発電施設のケーブルにGPSを付けたり、音や光の出るセンサーを付けたり、いろいろな機器を試しましたが、全てやられました。防犯カメラを根本から壊して向きを変えるとか、防犯機器のコードを切られるとか、何をやってもやられました。しかも不思議と一度ケーブルを盗んだ施設と同じ施設から、再び盗んできます。最多で1年に6回、盗まれた施設があります。

岸 え~! ホントに! あえて同じところを狙ってまた行くという感じですか。

丸林 そうです。狙いやすいんでしょうね。

――窃盗グループの間で狙いやすいエリアの情報が飛び交っているのですか。

丸林 それもあるかもしれません。それから我々は「そういうことはない」と信じたいのですが、施設の設置業者の下請けや孫請けが関与して、窃盗グループに情報が流れることもあると聞きました。

岸 え~?怖すぎる。裏切り者が!(笑)

丸林 関係者を疑いたくはなのですが……。

――お話いただいた実態を受けて「サンキーパー」を開発したわけですね。どんな経緯を辿って開発したのでしょうか。

丸林 我々が所有する光発電施設の向かい側に金属加工工場とご縁を得たことが、そもそものキッカケです。盗難問題には保険会社も警察署も無視できない状況になってきたのですが、一番困るのは施設のオーナーであるお客様で、我々にはお客様の資産を守るという使命があります。できる限りの盗難対策を実施していこうと試行錯誤しているなかで、警察の方が「発生したリスクに対処するのではなく、あらかじめリスクが発生しないようにしたほうがよい。そのためにケーブルの箇所を隠してしまったほうがよい」を助言してくれました。電力会社からは「ケーブルを隠す方法はよいが、メーターの点検やメンテナンスがしっかりとできるようにしてほしい」と要請されました。

 こうして関係機関や関係会社のご意見をうかがいながら、ケーブルを含めてメーターの付いたポール全体を囲ってしまおうと。そのためにはどうすればよいのかを金属加工工場の加工スペシャリストに相談しました。その工場は日本製鉄さんが開発した「スーパーダイマ」という耐食性に優れた鋼板を加工できる設備を設置していて、大量発注できるネットワークも茨城県内に持っているので、製品化すれば関東全域の発電設備を守れる可能性があると判断しました。

 そこでまず我々が所有する発電設備に使用しようと考えて、何度も修正しながら設計・製造しました。

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――サンキーパーの設計は何が特徴なのでしょうか。

丸林 警察署、電力会社、損害保険会社などの意見を汲んで設計しました。スーパーダイマでポール全体を丸く囲っていますが、ビスを一切使っていません。ビスを使うと、そこを外されて盗まれてしまう可能性もあるので、鋼板を変形させて、かみ合わせる接合技法で囲いをつくりました。接合技法だと窃盗グループは接合部分の開け方がわかりません。

岸 接合技法では、どうやって接合するんですか?

丸林 鋼板を変形させて受け口と爪をつくり、そこをかみ合わせるのです。囲いの内部に入らないと構造がわからないので、接合部分を外せません。

岸 確かに囲いの外からは開けられませんね。

丸林 外から開けるにはサンダーという切断機を使う以外にありませんが、サンダーで切断するともの凄い爆音が出ますし、サンダーの刃がケーブルに触れた瞬間に爆発します。

岸 え~!

丸林 窃盗グループもそのぐらいの事態は予知できるのではないでしょうか。囲いをしてあれば、どこにケーブルがあるか全く見えません。囲いの直径は90センチメートルで、高さは3メートルあります。

岸 めちゃくちゃ心強い! 窃盗グループはもう近寄りたくないですね。

――盗難の遂行時間はどのぐらいですか。

丸林 5分ぐらいです。窃盗グループはすぐに切断して、その場を立ち去れないとわかれば迷わず諦めるので、サンキーパーをこじ開けてまで盗もうという判断には至りません。窃盗グループは深夜に犯行に及ぶのですが、1カ所の切断を5分で済ませ、一晩に数十件から盗んでいるようです。

――サンキーパーの価格はいくらでしょうか。

丸林 工事費込みで43万円です。まず現地調査に行って、電柱の位置、計測器の位置と高さ、ケーブルを通している集電盤の位置とサイズなどを測定して、その施設に合わせてオーダーメイドで製作します。耐用年数は30年で、保証期間は10年です。

――ケーブルはどのぐらいの高さに装着されているのですか。

丸林 1.5メートルに設置されたメーターに装着されているので、脚立などを使わず、立ったまま切断できます。電力会社の検査員が検査しやすいように、メーターは目の高さに合わせて設置されているのです。しかもケービルはフェンスの近くに装着されているので、窃盗グループはフェンスの外から切断しています。

岸 そうなんですね。点検しやすい分、盗まれやすいし、切りやすい。

丸林 その通りです。囲いには点検用の蓋を付けて、検査員はダイヤル錠で施錠しています。

――同じような囲いをしている施設もありますか。

丸林 金網を付けたり、鎖を付けたりしている施設はありますが、計測器を全て囲ってケーブルの位置を外から見えなくしている施設は見たことがありません。電力会社や警察署に意見を求めず、自分のアイデアだけで対策しているのだと思います。

――今年6月からサンキーパーの設置を開始されたとうかがっています。効果はいかがでしょう?

丸林 先ほどお話しした6回盗まれた施設を含めて、サンキーパーを設置した施設は約50カ所ですが、今のところ1件も被害を受けていません。

岸 わあ、すごい! すばらしい。

丸林 我々が管理している施設は1100カ所で、企画だけを携わった施設を含めると6000カ所です。マーケットで見れば、低圧の施設だけで関東に20万カ所あります。

岸 そんなに! じゃあ、サンキーパーで囲われているところをわざわざ狙おうとはしませんね。

丸林 関東地方で被害が増えている背景のひとつに、施設の設置数が多いことが挙げられるでしょう。

――サンキーパーの設置に対して、保険会社はどんな見解を示してきましたか。

丸林 自社の発電所に設置をして審査を受けたところ、盗難保険に免責20万円を設定し保険に加入することができました。さらに保険会社から施設オーナーに直接アナウンスできる方法も検討されています。今は世界中で銅の価格が上がっているので、太陽光発電設備のケーブル盗難はヨーロッパ、アメリカ、オーストリアなどでも起きています。サンキーパーを日本で普及したら、海外への展開も計画しています。

岸 海外ではサンキーパーと同じような商品はないんですか。

丸林 調査した限り、ありません。

岸 ぜひ海外にもうって出てほしいですね。ところで、人家のない場所以外にも狙われやすい場所はあるんですか。

丸林 窃盗グループが工事人の服装をして、昼間に学校の近くの設置場所に点検や工事に入ったフリをして盗みに入ることもあります。クルマはレンタカーを使うことが多いようですが、近所の人の目に留まっても見分けがつきません。

岸 なるほど。昼間なら「そんなに大きな物を盗むはずがない」と思われて、違和感を抱かれないかもしれませんね。

――本日はありがとうございました。

(構成=Business Journal編集部)

※本稿はPR記事です。

株式会社アースコム

紹介動画「太陽光発電の未来を守る「サンキーパー」

「サンキーパーに関するお問い合わせはこちら」

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