しゃぶ葉、中高生にブーム？1000円台で5時間も食べ放題、肉もスイーツも

　しゃぶしゃぶ食べ放題チェーン「しゃぶ葉」が今、中高生の間でブームになっているのではないかと話題を呼んでいる。特に平日ランチの食べ放題コースは1000円台で、肉のしゃぶしゃぶ、野菜、サラダ、うどん、ご飯、ラーメン、カレー、クレープなどのデザートが食べ放題で、なんと時間は無制限。仮に午前11時からランチ終了時間の16時までいれば、5時間食べ続けられることになる。SNS上では

「昼過ぎのしゃぶ葉、女子高生だらけ」

「平日昼間なのにめちゃくちゃ混んでる」

「学生達がお店の前に、たむろしている」

といった声が多数みられる。また、ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」よりも長居できてお腹いっぱいになれるのでコスパが良いという声もみられる。実際のところ、ここ数年で「しゃぶ葉」の来店客層としては中高生は増えているのか。運営元の「すかいらーくホールディングス（HD）はBusiness Journalの取材に対し、次のように説明する。

「ご来店いただいているお客様層の分析では、中高生のお客様に限らず、全世代のお客様が増加傾向にございます」

なぜ今、「しゃぶ葉」が人気なのか。また、「しゃぶ葉」のランチ食べ放題はどのような点が特徴・魅力なのか。すかいらーくHDへの取材を交えて追ってみたい。

16時まで時間無制限

　全国に約300店を展開する「しゃぶ葉」は、店舗数ベースではしゃぶしゃぶチェーン業界1位。かつては1位だった「しゃぶしゃぶ温野菜」（217店舗／2024年9月時点）は近年、店舗数が減少して2位、「木曽路」（126店舗／同）が3位となっている。

　しゃぶ葉の人気の秘密は、しゃぶしゃぶをはじめバラエティ豊かな料理を低価格で味わえる食べ放題コースにある。たとえば平日ランチは「牛＆豚　しゃぶしゃぶ食べ放題コース」（2089円／税込／店舗によって異なる）は牛肉・豚肩ロース・豚バラ肉・鶏肉のしゃぶしゃぶに加え、前述のサイドメニューも充実。このほか、1000円台のコースとして「豚　しゃぶしゃぶ食べ放題コース」（1759円）、「豚バラ　しゃぶしゃぶ食べ放題コース」（1539円）を提供。このほか「国産牛　しゃぶしゃぶ食べ放題コース」（3189円）などワンランク上のコースもあり、こちらは国産牛・六穀豚・牛みすじ・モッツァレラチーズ・パルメザンチーズ・小籠包・牛肉・豚肩ロース・豚バラ肉・鶏肉などが食べられる。

　特徴的なのが、平日は16時までなら時間無制限だという点だ。食べ盛りの中高生にとっては、1000円台で友だちと長時間おしゃべりしながら、お腹いっぱいさまざまなものを食べられるというのは魅力的だろう。

 すかいらーくHDはいう。

「一番安い豚バラコースが平日ランチは1,399円（税込1,539円）と、しゃぶしゃぶ食べ放題として非常にリーズナブルで、日常使いしやすい点に魅力を感じていただいております。また平日ランチは16時まで時間無制限のため、ワンストップで食事からデザートまで楽しめる点が高コスパとしてご評価いただいております。ごはん、カレー、麺、ソフトクリームなどのサイドメニューや『自分で作るワッフル』『クレープ＆ホイップ』『たれ・薬味Bar』などカスタマイズ性が高いアイテムが豊富でSNS映えするようアレンジしたり、友人と自分流の味で味比べをしたりと、ワイワイ楽しめるカジュアルな雰囲気が、食事以上の『アミューズメントパーク』としての魅力を感じていただけている点だと考えております」

マクドナルドよりコスパが良い？

　そんな「しゃぶ葉」をめぐっては、ファストフードチェーンの王者「マクドナルド」より、実はコスパが良くて長居もできるという声も聞かれる。仮にマクドナルドでランチタイムに「ビッグマック」「マックフライポテト　M」とドリンクが付いた「ひるまック ビッグマック　セット」（650円）と、「チキンマックナゲット 5ピース」（260円）、「サイドサラダ」（330円）、スイーツとして「マックフルーリー 超 オレオ クッキー」（340円）を注文すれば1580円となり、しゃぶ葉の平日昼の「豚バラ　しゃぶしゃぶ食べ放題コース」とほぼ同じ金額となる。

「現実的にはマクドナルドでも、しゃぶ葉でも3～4時間も利用するお客は少ないですし、基本的には昼にマクドナルドを利用するのは、さっと食事を済ませたい人で、しゃぶ葉を利用するのは、ゆったりと食事をしたい人なので、そもそも飲食店に求めるものが違うため、両者を比較するのはあまり意味がないかもしれません。また、店舗数的には圧倒的にマクドナルドのほうが多く、日常的にしゃぶ葉にアクセスできる人というのは限られてもきます。

　とはいえ、1時間以上利用する場合で考えてみれば、そのボリュームや料理のバリエーションの豊かさ、価格、そして『ゆったりと食事をできるかどうか』を勘案すれば、しゃぶ葉のコスパは破壊的といってよいでしょう」（外食チェーン関係者）

（文＝Business Journal編集部）