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全社員正社員化で話題の異色アパレル、積極経営&世界展開加速で「第2のユニクロ」へ
11年には中国に進出。日系のアパレルが中国で失敗している厳しい現実は確かにあったが、石川社長は日系のヤングアパレルは中国に出ていないことを知り、勝負してみる気になったのだ。東京オリンピックが開催される20年の既存ブランドの売り上げ目標を2000億円に設定している。
●4~6時間勤務の「短時間正社員」制度
クロスカンパニーの大きな特徴は、3000人の社員全員が正社員で、そのうちの94%が女性であることだ。11年8月に「短時間正社員制度」を導入した。日本では正社員は1日8時間勤務が前提とされているため、1日8時間未満の場合は非正規社員となり、正社員とは賃金体系が異なるのが当然とされてきた。
クロスカンパニーは、社員の仕事と家庭の両立を図るために、あえて6時間勤務の正社員制度を導入。それでも両立が困難な女性のために4時間勤務制度も創設した。1日に4時間か6時間だけ働く短時間正社員が、今や217人もいる。14年1月期まで13期連続で増収になった原動力が短時間正社員なのである。
労働者派遣法の改正案で派遣を含む非正規雇用がさらに増える趨勢にある。クロスカンパニーの全員正社員・短時間正社員制度は、男女共同参画の先進的なモデルとして高い評価を得ている。
クロスカンパニーの上場が実現すれば、同社株式の9割以上を保有する創業者の石川社長が、持ち株の一部を売り出すことになる。市場がどのような反応をするのか、目が離せない。
(文=編集部)
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UPDATE:17:30