野村総研、わいせつ裁判敗訴後も、被害女性へ嫌がらせ行為継続、警視庁は指導へ
●野村総研の行為を受け、警視庁が指導
さらに野村総研は、警視庁の捜査を受け、裁判で強制わいせつ・脅迫の事実が認定された後も、被害女性に謝罪をするどころか、逆に被害女性や支援者にさまざまな嫌がらせと取れる行為をしていたことが今回、発覚した。
その内容は、野村総研側の強制わいせつ・脅迫が認定された判決について「野村総研が『概ね』勝訴した」と、虚偽ともいえる内容で報道発表を行い、被害女性側の名誉を毀損している。また、被害女性と交友のある人物が社長を務める会社に対して、それを理由に一方的に取引中止を宣告していた事実も発覚。さらには野村総研の代理人を務める森・濱田松本法律事務所が、被害女性のことを「名誉毀損を疑われた被害女性」と事実無根の誹謗中傷を行うなど、反省するどころか、逆にさまざまな手口での嫌がらせが続いているという。野村総研は一連の行為について、強制わいせつ事件発覚時の社長で現会長の藤沼彰久氏が承知した上で行っていることを、同社代理人の弁護士が認めている。よって、今回の嫌がらせ行為も組織ぐるみである疑いが強い。
これらの嫌がらせ行為を受け、被害女性側が警視庁に被害相談をしていたところ、3月13日、警視庁は被害女性側に「野村総研の嫌がらせ行為を止めるには、根本的な解決のために、和解可能性について弁護士同士で協議してほしい」という趣旨の指導を行った。これを受けて被害女性の代理人弁護士は東京地検と協議。そして東京地検がY氏側に謝罪するよう促した結果、Y氏は弁護士を通じて犯行を謝罪し、賠償金を支払うとして和解を申し入れてきた。被害女性は、検察に促されるまで謝罪しなかったY氏の態度に誠意が感じられないとして和解を拒んでいたが、警視庁の指導でもあり、今後野村総研の脅迫や嫌がらせがなくなるようにするための和解だという趣旨の指導であったため、やむなく応じたという。ちなみに、性犯罪は親告罪と呼ばれ、被害者からの告訴が維持できなければ立件はできないため、この和解により今後、この事件についてY氏が罪を問われることはなくなった。
●被害者への謝罪も一切の交渉も拒絶
被害女性の弁護士は、Y氏からの謝罪と和解の成立を受け、警視庁の指導に基づいて次は野村総研に対して通知をした。その内容は「野村総研は幹部の強制わいせつ行為に加えて、隠ぺいのための組織的な脅迫行為も裁判所で事実認定されている以上、被害女性代理人として謝罪を求める意向である。これに誠意を持って解決のために対応されるか否かを警視庁の指導に基づいて確認するので、誠実な回答を求める」という趣旨の文である。
これを受けた野村総研は謝罪を拒否。さらに一切の交渉も拒絶し、和解の余地などないとする書面を被害女性側に送付したことが明らかとなった。
さらに野村総研は、幹部の性犯罪および組織的脅迫を事実無根として、名誉毀損の被害を警視庁丸の内署に届け出ていた事実も発覚した。
このように、大手上場企業が性犯罪加害者側として、警察の指導も拒絶して、挙げ句に虚偽の内容で名誉毀損を主張する行為は、どのように評価されるものなのだろうか。東京都内の弁護士は次のように述べている。
「警察の指導には法的な強制力はありませんが、しかし社会的な責任の大きい大企業としては、誠実に従うべきものです。ましてや、そもそも被害者側を脅迫している事実が裁判で認定された法人が、警察の指導の上でも謝罪を拒絶し、さらに自社の性犯罪や脅迫行為被害者側への嫌がらせを続けた挙げ句に、『事実無根』だとする虚偽の内容で警察に被害を届け出ていたという行為は、稀に見るほどの悪質なケースであり、とてもではありませんが、倫理上も許さるべき行為ではないと思います」