野村総研、わいせつ裁判敗訴後も、被害女性へ嫌がらせ行為継続、警視庁は指導へ
●求められる大企業としての倫理
Y氏の海外での性犯罪容疑の捜査を担当した警視庁池袋署の刑事は、被害女性が民事裁判で実質的な全面勝訴をした際には共に涙を流し、海外案件についても非常に困難な中で捜査を続け、真実を明らかにしてくれたという。このように警察も被害女性側に同情するほど、野村総研の対応は不誠実なものとなっている。被害女性側に嫌がらせを続ける野村総研と同社代理人弁護士には、批判が集まるのも当然といえる。
本民事裁判で野村総研に対して裁判資料を提供しているセブン&アイ・ホールディングス、野村ホールディングスに対しても、刑事で性犯罪容疑として事件化されている事実や、警視庁の指導を野村総研が拒絶している事実を伝え、このような行為を防止するために上場企業として責任ある措置を何か取っているのかどうかとの趣旨の質問をしたが、両社から期限までに回答を得ることはできなかった。
そして当の野村総研には、これまでにも「犯罪可能性を認識していなかったのか」との質問をしたが、それに対して「当社社員がそのような犯罪にかかわったという事実はない」と発表している。
本件について警視庁に取材を申し込んだところ、警視庁広報課3係は1週間にわたる調査をした上で「警視庁としては、お答えするする立場にありません」との回答であった。なお、取材の結果、すでに野村総研側の脅迫行為に関する告訴状が警視庁に提出されているという。
日本最大のシンクタンクである野村総研の実態が露呈した本事件。野村総研と被害女性側の和解は成立しておらず、組織的脅迫が民事裁判でも事実認定されている野村総研は、今後その責任を問われる事態となっている。
本事件については警視庁や法曹界への取材などを続け、今後の動きに注視して続報を掲載する予定である。
(文=新田 龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト)