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YouTube再生前の煩わしい広告、なぜ5秒?短くできない?Googleさんに聞いてみた

文=鮫肌文殊/放送作家
YouTube再生前の煩わしい広告、なぜ5秒?短くできない?Googleさんに聞いてみたの画像1YouTubeの動画広告(無料動画共有サイト「YouTube」より)

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、無料動画共有サイトYouTubeの広告にまつわる疑問について迫ります。

【今回ご回答いただいた企業】
 Googleアドワーズ 様

 趣味で古い昭和のアナログレコードを集めている。7インチとLP合わせてすでに7000枚は超えているはずだ。それに加えてCDも3000枚以上あるので、合わせると全部で1万枚ほどあることになる。自分の部屋の床が抜けないか本気で心配である。

 とにかくレコードというヤツは「聴いてみなければ中身がわからない」ので、音を知りたければターンテーブルに乗せてレコード針を落として音を出してみるしかないのだ。

 知り合いの若き天才DJで、アジア系レコードの収集家としても有名な馬場正道さんに「なぜ、誰も知らないような素敵なレコードばかり発見することができるのですか?」と思い切って聞いたことがある。

 キリスト様のようなヒゲをたくわえ、「レコード仙人」の異名を取る馬場さんの答えは以下の通り。

「レコードは全部買って、全部聴いてみるしかないのです」

なんて厳しきお言葉。良きレコードを見つけるのに近道なし、全部聴いてみるしかない。それはわかっているのだが、全部買っていたら、お金がいくらあっても足りません。

 レコード店で試聴サービスを行っている店もあるにはあるが、1日に3枚までなどの制限がある場合が多い。従って、ジャケットを見て「これは良さそう」と勘で買うことになるのだが、あてが外れた時の悔しさは筆舌に尽くしがたい。

 そんな時に重宝していたのが、実は無料動画共有サイトYouTubeなのである。同好の志の誰かが、超マイナーな昭和歌謡の隠れた名曲の音源をアップしてくれていた。それをインターネットで試聴してから、レコード店で購入していたこともよくあった。

 なぜ物言いが全部過去形かって? それは今、著作権に関して厳しくなっているためか、今まで見逃されてきたレコード音源が次々に削除されているからだ。目的の曲がネット上に残っていたとしても「素人がカラオケで歌う自分を録画した映像」ばかり。曲の雰囲気だけでも知りたくて見ることもあるのだが、素人のカラオケを聴かされる気分は最悪だ。

 さらに嫌なことに、YouTubeには煩わしい広告がある。5秒待てば残りはスキップできるとはいえ、開く動画すべて5秒待つのは、なかなかのストレスだ。

 だから直接、YouTubeの広告を扱っているグーグルアドワーズさんに聞いてみた。

「YouTubeの動画広告でスキップできない時間は、なぜ5秒なのですか?」

担当者 30秒未満の動画であれば最後まで、30秒以上の動画であれば30秒経過すると、広告主に課金されます。ユーザーにとって興味のない広告であれば、スキップでき、広告主にとってもきちんと視聴してもらったところで課金される仕様が設けられております。スキップするか続けて動画をみるかを判断する時間として5秒間動画を流しています。

–では、5秒を超えてもスキップせずに視聴者が見ると、広告主に広告料金が発生しているということですか?

担当者 はい。広告に興味を持っていただき、スキップせずに視聴されますと、広告主に費用が発生いたします。

–5秒より短くはできないのですか?

担当者 5秒が適正ではないかと判断しておりまして、現状では、5秒の間に視聴者がスキップするか、そのまま視聴するかを選択する仕様になっております。

–例えば、スキップ対策として5秒完結の広告があった場合には、どうなりますか?

担当者 掲載するにあたって、何秒以上必要という決まりがございまして、5秒以内の広告はありません。

–動画広告をストレスに感じる人には、広告が逆効果になるのではないですか?

担当者 正直なところ、人それぞれに受け取り方が違うと思いますし、広告を出される側からすると、より多くの方にアピールしたいところですので、一概に回答することは難しいところです。

 他の担当者にも同じ質問をしてみたのだが、「5秒は我慢できる範囲内」という答えであった。

 5秒は結構長いと思う。せめて3秒にできないものだろうか? また最近、著作権を保護しなければならないのはわかるが、映像や音源が即座に削除されるケースが多いが、自分も著作権に守られている立場なので、あまりおおっぴらには言えないものの、もうちょっとアナーキーな状態だったYouTubeのほうが面白かったと思っているのは、私だけでしょうか?
(文=鮫肌文殊/放送作家)

鮫肌文殊

鮫肌文殊

1965年神戸生まれ。
高校二年の春、雑誌「ビックリハウス」の第17回エンピツ賞(小説)受賞を皮切りに、賞を総なめ。若干19歳で短編小説集「父しぼり」(長征社)を発表。NHK 特集への出演を機に中島らも氏の知己を得て、放送作家活動をスタートする。
1990年、松尾貴史の勧めで上京。現在に至る。
パンクバンド『捕虜収容所』のボーカルやDJでの音楽活動。テレビメディアに関するエッセイ等でも活躍中。

Twitter:@samehada19

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