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ヤマトHDも取扱数量の急拡大に人手が追いつかない。昨年10月には都内の複数の営業所で「クール宅急便」として預かった荷物を保冷用コンテナ開放状態で放置し、常温で仕分けをしていたことが発覚。社内の聞き取り調査では全国の200事業所で同じことが行われていた。保冷用コンテナの荷物は5分以内に仕分けるというルールに無理があり、分刻みのマニュアル化に綻びが生じたと指摘されている。物流拠点はロボットや自動仕分け機の導入で人手を減らすことができるが、配送や集荷は人海作戦に頼らざるを得ないのが現状である。
さらに影を落としているのが人手不足とコスト増だ。ヤマトHDは景気回復による荷物の増加と人手不足に対応するため、初の全社的な値上げに踏み切った。値上げした結果は厳しいものとなった。14年4~6月期の宅配便の単価は平均587円と前年同期比で16円アップした一方、宅急便の取扱個数は3億7400万個で前年同期より17万個減った。一部の大口取引先では、他社への乗り換えも始まっている。一強・ヤマトHDの悩みは尽きない。
(文=編集部)
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