「古さを感じないのがすごいなと。瀬名が南の婚約者とルームメイトだったという設定で、物語途中からは瀬名と真二がルームメイトになるのですが、1996年ってまだそれほどルームシェアという価値観が浸透していない時代でしたよね。ですので、当時は『ずいぶんオシャレなライフスタイルの人たちだな。やっぱりしょせんはドラマの中の世界よね』という感じで観ていたのです。だけど今の時代、ルームシェアっていう概念が日本でも定着しています。むしろ今観ると“自然な設定”に見えて、ドラマのリアリティが増している気がしました」
一方、男性からの視点ではどうだろうか。放送当時、大学生だったという30代男性は次のように語る。
「キムタク自体は別に好きでも嫌いでもないですが、『ロンバケ』の彼はなかなか人間臭くていいキャラだなと感じました。『HERO』とか『GOOD LUCK!!』がまさにいい例ですが、キムタクのドラマは、基本的に“360度隙のないスーパーイケメン”として彼を撮る作品が多いじゃないですか。だけど『ロンバケ』はちょっと違っていて。もちろんイケメンはイケメンなのですが、瀬名は頼りない男として描かれてるでしょ。さらにいうと、好きだった涼子ちゃんをワイルド肉食系の真二に寝取られるあたりは、痛々しいほど情けないんですよね。それが今観るとすごく新鮮でいいです」
数多くの「素敵すぎる」シーン
日本ドラマ史上屈指の恋愛ドラマだけあり、名シーンが多いのも本作の特徴のため、思い入れの強いシーンを挙げる人も多かった。
「キムタクと山口智子がマンションの3階からスーパーボールを落として、それを再びキャッチしてキャッキャッとはしゃぐシーン(1話)は、私の中で全ドラマNO.1の名シーン。何気ないシーンだけど、素敵すぎるシーンですね」(40代女性)
「『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(13年放送、TBS系、12.8%)に主演したときもキムタクの黒縁メガネ姿が話題になりましたが、実は『ロンバケ』で黒縁メガネ姿は披露してるんですよね。あのひ弱なインテリっぽい雰囲気は、今のキムタクでは出せないと思います」(20代男性)
「6話のラストで瀬名が『ねぇ、キスしよっか?』と言って、南が『いーよー』って軽いノリで答えて、キスをするんですよ。あの南の『いーよー』は今でも耳に残っています」(40代女性)
「物語後半、瀬名と真二がルームシェアするのですが、二人の奇妙な友情関係が結構好きです。瀬名は真二に彼女を取られた後なんだけど、変に妬みとかがなくて、冗談も言い合うような関係になっていて。いい距離感の男の友情という感じでした」(40代男性)