3月6日放送の連続テレビドラマ『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)第7話の平均視聴率が6.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、“フジ月9”史上最低となった前週の5.0%からひとまず回復したが、依然として楽観できない状況が続いている。
同作の主演は西内まりやで、相手役には俳優初挑戦の山村隆太(flumpool)が抜擢されている。ドラマの内容は、結婚願望の強い主人公・高梨あすか(西内)が、結婚願望を持たない人気アナウンサー・名波竜(山村)と出会い、次第に惹かれ合っていくというストーリー。第7話では、あすかと名波の同棲、さらに名波の不倫疑惑のゴシップが報じられてしまう。名波は報道特番のメインキャスターを降板することになり、あすかも記者から付きまといを受ける……といった展開だった。
視聴率不振が取り沙汰される同作だが、前週から1.4%の挽回も、素直に祝福できない“からくり”があった。この日は本編と同時に副音声が放送され、山村と、その恋敵を演じる山崎育三郎など男性キャストが出演。さらに、ドラマには出演していないflumpoolのギタリスト・阪井一生もMCとして参加し、インターネット上の注目を集めた。つまり、今回はflumpoolファンなど、副音声目的で視聴した者が多かっただけという可能性も否定できない。
さらに、肝心の内容に関しては、今回もまた盛大なツッコミを入れざるを得ないシーンが散見された。
ゴシップ報道を受け、あすかは一旦実家に戻っていたのだが、しばらくして名波から「明日会える?」とメッセージが届いた。そこで翌日、あすかは張り切ってお弁当を作り、名波の元へ。しかし、名波からは「別れよう」と告げられてしまうのだが……。
まず、2人は同棲していた名波のマンションで再会したのだが、この時点で「記者に撮られないようにする気あるの?」と、呆れてしまった。普通は場所を変えるとか、少なくとも自宅マンションでの密会は避けるのではないか。
また、勝手にお弁当を作っていったあすかにも、「待て」と言いたい。記者に追われ、名波がトラブルに巻き込まれた後、ようやくの再会。彼に手料理を食べさせたかった気持ちもわからなくもないが、事前に都合や様子を確認するという気遣いはなかったのか。とにかく自分の気持ちを優先したような行動、空気の読めなさ……。なんとも感情移入しにくい「バカ女」な主人公である。
その一方で、ネット上では「ここで別れ話って、ベタな展開だな」などと“白けムード”が蔓延中。内容にはリアリティがなく、展開はベタとは、やはり次週以降の視聴率が不安でしかない。
(文=美神サチコ/コラムニスト)