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スマホ時代に乗り遅れ、今期9割減益

日本電産、スマホ時代に乗り遅れ初の減配…永守成長神話復活なるか?

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post_1471.jpgそびえ立つ日本電産のビル。
(「Wikipedia」より)
 2010年12月10日、「ほら吹き三兄弟」が夕食を共にした。

 日本電産社長の永守重信、ソフトバンク社長の孫正義、ユニクロのファーストリテイリング社長の柳井正の3人である。

 いずれも世界一を目標に掲げる、今をときめくベンチャー起業家たちだ。

 日本電産の2015年度の売り上げ目標は、現在(10年当時)の3倍の2兆円、柳井の2020年度のそれは6倍の5兆円。孫にいたっては、30年後のソフトバンクの時価総額(株価×発行済み株式数)を60倍以上の200兆円にするとぶちあげた。

「ほら吹き三兄弟」の名付け親は、元祖ベンチャーの永守である。「孫さんは、ほら吹きの大学生。柳井さんが高校生なら僕は小学生や」と永守は自己分析した。

 永守の“ほら”には年季が入っている。1973年、日本電産を28歳で創業した時、仲間と4人で「世界的な企業をつくること」を6畳間のちゃぶ台の前で誓い合った。銀行には笑われたが、“ほら”を実現するために、ひたすら走り続けた。

 全力疾走したおかげで、コンピューター関連のハードディスク駆動装置(HDD)用超小型精密モーターで世界シェアの8割をもつまでになったが、この程度で満足する永守ではない。究極の“ほら”は、「あらゆるモーター分野で世界一を目指す。それも、断トツの世界一」である。

 日本電産は日本企業が不況にあえいでいた過去10年間、売上高を10倍に増やす急成長を遂げた。子会社・関連会社171社、従業員11万人、連結売上高6823億円(12年3月期)。大企業に急成長を遂げたサクセスストーリーは“永守神話”としてあまりにも有名だ。

だが、その永守神話が崩れた。

 永守の成長神話を突き崩したのは、スマートフォン(=スマホ、高機能携帯電話)だった。

 日本電産は1月24日、2013年3月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比89%減の45億円になるとの見通しを発表した。従来は23%増の500億円を見込んでいたのだから、一転して大幅な減益となる。

 通期業績見通しの下方修正は、12年10月に続いて2度目。売上高は1%増の6900億円、営業利益は72%減の200億円。前回公表した数字から売上高で300億円、営業利益で600億円引き下げた。営業利益の200億円は、ITバブルが崩壊した直後の03年3月期の同228億円以来、10年ぶりの低水準だ。

 2013年1~3月期(第4四半期)の3カ月間は、237億円の最終赤字を見込む。四半期ベースで最終赤字を記録するのは、リーマン・ショックの直撃を受けた08年10~12月期以来のこととなる。

 この結果、95円を予定していた年間配当は80円と、前期比10円減らす。普通株の減配は、株式分割や記念配当の実施による増減を除けば、88年の上場以来、実質的に初めてだ。

 日本電産が一転して大幅減益、減配になったのは、スマホの急速な普及が原因。主力製品はパソコンに使われるHDD用モーターで、世界シェア80%に達する。しかし、スマホとタブレット(多機能端末)の急速な普及で、パソコンやデジタルカメラ市場が落ち込んだ。HDDはモーターが不要なフラッシュメモリーに取って代わられた。

BusinessJournal編集部

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