「本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、 公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネスリスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。」
もっとわかりやすい例もある。アマゾンのKindleストア利用規約には「Kindleコンテンツの使用」欄に「Kindleコンテンツは、コンテンツプロバイダーからお客様にライセンスが提供されるものであり、販売されるものではありません」と明記されている。つまり、アマゾンから紙の本を買えば自分のものだが、電子書籍となると、お金を払ってもユーザーに所有権がない。Kindleユーザーは、これに「同意」したことになるのだ。
少なくとも、Instagramのこの騒動は、我々が利用するサービスの条件に、利用者に不利な事項が隠されている可能性というものを示唆している。確かに、規約やプライバシーポリシーはわかりにくく読みづらい。
だが、可能なら自分がアクティブに利用するサービスにどのような条件が設定されているのか、これらの文章に今一度目を通すことをお薦めしたい。ネットに流れるデマやまとめサイトを鵜呑みにして短絡的に行動するのでなく、冷静に情報を収集・判断した上で行動するようにしたいものだ。
(文=池田冬彦)