「李栄薫先生の本はまだ読んでいなくて、今取り寄せているところです。この方は、かなり以前から日本統治時代はよかったと論文などで書いてきた方です。慰安婦問題も実は強制ではなくて売春業だったなどというような話を、現役のソウル大学教授のときから書いています。そのとき(2004年)は慰安婦たちが余生をおくる『ナヌムの家』に呼ばれて、コップの水をかけられたり土下座させられたりしました。その後も同様の発言を続けたため、殴る蹴るの暴行を受けたこともあります。
私もYouTubeで見ましたが、たとえば徴用工問題でも、日本に行くと給料が3倍も4倍も高かったと。戦後、1970年代には多くの韓国人が中近東に出稼ぎに行きました。給料が良かったからです。1年か2年行って帰ってくると、家が1軒建てられるくらいの貯金ができた。だから、人気が高くて行きたくてもなかなか行けなかった。それと同じなんです。日本統治時代に日本の会社で徴用工として働くのは、ひとつのロマンだったのです。ただ、未成年者の場合、給料は本人ではなく保護者に支払われたらしい。だから、未成年者は自分が直接お金を受け取っていないので、給料が未払いだと勘違いする人もいただろうと。
私も、30年前に『スカートの風』という本を書きました。日本でホステスとして働く韓国人女性たちのことを書いたのですが、それが水商売であったとしても、当時は日本に行きたいと思う女性がたくさんいたのです。日本統治時代の徴用工たちも、それと同じだった。また、日本から1965年にもらった協力金で韓国は発展することができたという、これまで韓国人の多くが知らなかったことも書かれている。今までならば、このような内容の本は絶対に韓国では出せなかった。このような本が出版されて、韓国の書店でベストセラーになって、多くの韓国人に読まれているというだけでもすごいことなのです。日本が韓国に対して強く出てきたことで、すごく今おもしろい現象が韓国で起きているのです」(呉教授)
韓国で慰安婦像と徴用工像を撤去する動きも
呉教授の著書は共著も含めれば80冊近いが、いずれも日韓を比較した優れた内容であるにもかかわらず、韓国語に翻訳出版されることはなかった。親日派のレッテルを貼られ、日本で「反韓的な活動」を行っているとの理由からだ。