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韓国・徴用工&慰安婦、日本の国際法違反が濃厚…「解決済み」は植民地支配した側の論理

構成=長井雄一朗/ライター
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韓国の文在寅大統領(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 日韓関係が悪化の一途をたどっている。日本政府は半導体材料の対韓輸出規制を強化し、安全保障上の友好国である「ホワイト国」から韓国を除外する方針であることを発表した。これに対し、文在寅大統領は撤回を要求した上で対抗措置を取ることも示唆している。日本の対応の背景に元徴用工訴訟の問題があることは明らかだ。

 また、元従軍慰安婦の支援を目的に韓国で設立された「和解・癒やし財団」が日本の同意を得ないまま正式に解散し、日本は抗議している。今後は、日本が拠出した10億円の残余金をめぐる議論が勃発することも必至だ。

 国際法に詳しい明治学院大学国際学部の阿部浩己教授は、「国際法に沿っていえば、韓国併合条約は違法となる可能性があり、徴用工や慰安婦の問題についても同様です。日本政府はこれらの問題に真剣に向き合わなければ、国際的に公正な秩序を構築することはできないでしょう」と語る。国際法の観点から見た日韓関係の問題点について、阿部教授に聞いた。

「植民地支配は違法」が国際常識に

――国際法の観点から見て、植民地支配というのはどのような扱いなのでしょうか。

阿部浩己氏(以下、阿部) 国際法は欧米諸国間の関係を規律するルールとして生み出され、そのため欧米諸国に有利なルールとなっていました。少なくとも20世紀までは、欧米という強者優先の仕組みであったといっていいでしょう。しかし、20世紀に入ってからは変わります。

 かつて、欧米諸国は自国の力を拡大するためにアフリカやアジアの国々を植民地支配してきました。それは「人種間に優劣がある」との考えに基づいて行われており、たとえば「優れた白人が黒人の土地に先進的な文明を伝えていく」という思想は最たるものといえるでしょう。

 しかし、1948年に国連総会で「世界人権宣言」が採択され、1960年代にはアフリカの国々が独立することになります。「人間は平等」との考えが国際社会に浸透してきて、1960年代には国際法の観点からも「植民地支配は違法」という認識になりました。

――かつての植民地支配に対して、欧米諸国はどう対応してきたのでしょうか。

阿部 基本的に「植民地支配は正しくなかったが、当時は合法だった」「法的な責任が問われないため、公式な謝罪や賠償はできない」という考えです。しかし、「道義的責任がある」としてなんらかの償いをする流れが、ドイツなどにはあります。

 一方で、「植民地支配は当時から違法ではないか」という見方もあります。韓国では、日本による植民地支配は「違法に占領されていた」と考えられています。また、ハワイはかつて独立していましたが、1898年にアメリカに併合されてハワイ準州になります。ハワイは「アメリカが合法的に併合したわけではない」と主張しており、1993年11月、アメリカ議会はハワイの併合に至る過程が違法だったと認め、公式に謝罪する両院合同決議を採択しています。

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