貯蓄3千万でも老後貧困の危険!子供への過剰な教育費、ローンでの住宅購入が家計を破綻させる!
住宅ローンは損をする?
日本は人口が急速に減少していきます。今は1億2700万人ですが、20年後は1割減って9割となり、30年後は今より2割減って8割の1億160万人です。住宅もすでにあり余っており(13年の空き家率は13.5%)、30年後の空き家率は40%台というシンクタンクの推計もあります。
これから住宅ローンでマイホームを取得しようという方は、ぜひおやめになることです。金利が低いといっても、4000万円を全期間元利均等・固定2%の35年ローンで借りたとすれば、総返済額は5565万円と借入額の1.4倍にもなります。一戸建てでも35年後には土地代も購入時より3割は下がり、建物価値はボロボロでゼロ査定です。マンションでも購入時の半額以下の価格となり、これらでゆうに3000万円以上も損をすることが明白なのです。これからは、ますます安くて良質な賃貸物件が増え、老後にはもっと安い金額で家も購入できるはずだからです。
生命保険も世帯平均で年間41万円も払っていますが、純粋な補償に回る金額は3割そこそこで、7割近くが保険会社の粗利益で消えていきます。健康保険の傷病手当金制度、高額療養費制度、企業の死亡退職金や障害年金制度などの代替手段の充実を勘案すれば、生命保険加入の意味はなくなります。
またマイカー所有には、膨大な税金が諸費用に加重されていて大きなマイナスになります。こうした費用を貯蓄に回し、利殖を図れば、軽く5000万円ぐらいは生み出せると考えるべきでしょう。ゆえに著者はこれらを「人生の3大無駄遣い」と呼ぶゆえんですが、くわしくは拙著『40代から知っておきたいお金の分かれ道』(フォレスト出版)をご参照ください。
なんといっても、現役時代にも老後にあっても、頼れるものは「価値ある資産とお金」です。
価値がなくなるマイホームを借金で購入するのは、途方もない無駄です。また、ほかに合理的な代替手段が充実しているのに生命保険に加入するのも二重三重の無駄です。そして多重税金の塊となるマイカーも大いなる無駄といえるのです。
楽しい現役生活と豊かな老後生活を送るためにも、くれぐれもあざとい商業主義に惑わされないようにすることです。お金を有意義に蓄えていきましょう。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)