貯蓄3千万でも老後貧困の危険!子供への過剰な教育費、ローンでの住宅購入が家計を破綻させる!
現在日本の高齢者世帯(65歳以上)において、年収が200万円以下は39.46%、100万円以下は13.2%も占めているのです(2014年国民生活基礎調査)。つまり、高齢者世帯の4割が、生活保護レベルもしくはそれ以下の生活水準に陥っているのです。本連載前回記事でもお伝えしましたが、なまじ貯蓄があったり、住宅ローンで購入したマイホームという資産があるために、老後に貧窮しながらも生活保護の給付がなかなか受けられない世帯は多いのです。
総務省の家計調査によると、高齢者夫婦が最低限必要な生活資金は月額27万円となっています。これで、節約してのカツカツの生活がなんとか保てる水準なのです。ただし、これも持ち家で住居費が月額1万円程度しかかからないことが前提となっています。たまに夫婦で旅行をしたり、外食が楽しめるといった、少しゆとりのある生活なら月額37万円が必要とされています。
厚生労働省のデータによれば、夫がサラリーマンで妻が専業主婦だった高齢者夫婦の厚生年金平均受給額は、月額約19万円です。一方、夫が自営業者で妻が専業主婦だった夫婦の場合、国民年金の月額平均受給額は9.8万円にしかなりません(満額でも13万円)。
いずれにしても、月額最低必要生活資金27万円には、厚生年金夫婦の場合でも月額8万円(年額96万円)が不足し、国民年金だけの夫婦は月額17万円(年額204万円)も不足するわけです。ゆとりある生活の月額37万円には、さらに10万円必要となります。
このように、年金以外からの収入がなければ、生活費の不足分は貯蓄を取り崩すほかないのが現実なのです。
こうした現状に鑑みると、65歳以降年金収入しかない夫婦は、貯蓄がたとえ3000万円あってもそれを取り崩した時点で、地獄のような老後生活が待っていることになります。将来は年金額も減らされ、支給開始年齢も繰り延べされるのは確実ですから、老後資金は3000万円程度では到底足りないことが明白でしょう。
貯蓄ゼロ世帯
では、各世帯の貯蓄額はどうなっているのでしょうか。平均値ではなく、多い額から少ない額に並べた時の真ん中の数値、つまり中央値が実態を表わしているので、世帯主の年代別に中央値をみてみましょう。