貯蓄3千万でも老後貧困の危険!子供への過剰な教育費、ローンでの住宅購入が家計を破綻させる!
「家計の金融行動に関する世論調査2014」(金融広報中央委員会)によれば、30代は405万円、40代は640万円、50代は900万円、60代は1398万円となっています。これが実態だとすると、高齢者世帯の9割が、貯蓄が尽きた時点で生活保護レベル、もしくはそれ以下の水準に転落してしまうのは確実といえるでしょう。男性の平均寿命は80歳、女性の平均寿命は87歳といっても、この年齢でも2人に1人以上は生き続け、90歳時点でも男性は23%、女性は47%の生存率です。現役時代にどんなに高収入だった人でも、65歳以降に働かなくなれば、たちまち貯蓄を食い潰して「地獄の老後」が待っているわけです。
さらに衝撃的なデータがあります。「貯蓄ゼロ世帯」の占める割合を世帯主の年齢別にみてみると、20代で35%、30代で33%、40代で33%、50代で30%、60代で30%も占めています。また、年収別でみると、年収300万未満は53.3%、年収500万未満は42.6%、年収750万未満は22.9%、年収1000万未満は19.7%、年収1200万未満は9.3%、年収1200万以上は10.6%です。
かつて日本の家計貯蓄率は、1970年代半ば頃には20%を超えていましたが、近年は下降を続け1~2%台がやっとという状況ですから、無理もないわけです(内閣府「国民経済計算」より)。ちなみに家計貯蓄率とは、世帯の手取り年収(可処分所得)に占める貯蓄の割合をいいます。
過剰な教育費
では、こんなにまで、貯蓄ができないのはどうしてなのでしょうか。
その主な要因は、「住宅ローンによるマイホーム取得」「生命保険加入」「マイカー所有」という人生の3大無駄遣いにありますが、最近とりわけクローズアップされているものとしては、「過剰な教育費」が挙げられるでしょう。
子供を無理して私立の中学や高校へ進学させると、塾などの習い事と合わせると高コスト世帯となり、ますます貯蓄ができなくなります。子供を高学歴にするために投資しても、大学を出たのち非正規雇用(雇用者の約38%)となってしまい、挙げ句にニートになって親元でゴロゴロされたら、老後世帯の家計は間違いなく破綻するでしょう。
文部科学省のデータでは、塾や習い事の費用も含めた教育コストは、幼稚園から大学まですべて公立なら約800万円ですみますが、高校と大学が私立なら1080万円となり、幼稚園から大学まですべて私立だと2212万円もかかります。これに何年かの留学費用などまで加えたら、べらぼうな金額にまで膨らみます。こんな不確実性の投資には、できるだけコストをかけないことが大事なのです。