――いつかは人員削減をしなくてはいけないと思ってましたか?
A氏 個人的には遅すぎると思いますね。ただ、リストラというのは、クビを切られる人がいるということですから、ターゲットにされやすい人のことを考えると、あまり大っぴらには言えないですけどね。とはいえ、現実的に、このままほっといたら潰れてしまう、というのはあります。
――上の年齢層が余っている?
A氏 (経理部や総務部などの)間接部門とか設計部門だと思いますけど。年齢層としては、上の人が完全に余っています。クビ切れなくて、若い人も採れない、という状況ですね。やっぱり大企業病にかかっていると思います。効率をもっと高めれば、(営業などの)フロント部門を含めて、人数を減らしてできると思いますよ。
――ルネサスの一番の問題は何だと思いますか?
A氏 コスト体質が高いことですかね。それは結局、人が多いということに行き着くのかもしれません。お金がないから新しいことができない。何もできないから売れない、売れないから価格をどんどん下げるけど、コスト体質の良い韓国勢などにはかなわない、という悪循環にどんどんはまってしまっていると。
――「取引先に支払い猶予を求めている」というニュースもありました。資金繰りは厳しいですか?
A氏 すぐに倒産するということはもちろんないですけど、余裕がないのは間違いないです。でも、思うのは、社員はみんな人のせいにしすぎかなと。「こういうことになったのは経営陣の責任だ」と労働組合とか言いますよね。確かに、そうかもしれないけど、それもどうなのかなと。
――社内を見てて、ここがダメってところはありますか?
A氏 ホームラン(大きな案件)ばかり狙っていることですかね。取れるところはしっかり取って、それでホームランを狙うのはいいんですけど。まぁ、それほど世の中うまくはいかないですけどね。
――復活するためには、どうすればいいと思いますか?
A氏 合併は絶対必要だと思います。一時、ニュースでも出ましたけど、SoC(System on a Chip:1つの半導体チップ上に、ある装置やシステム動作に必要な一連のすべての機能を実装する設計方式)などの特定の分野別に他社と合体するとか、海外勢に勝つためには日本の企業同士で連帯してやっていかないとつらいと思います。国内企業同士で争っている時代ではないですから。
――エルピーダメモリも破綻しましたが、ルネサスはどうなると思いますか?
A氏 倒産はないと思います。日本経済に与える規模がでかいので、エルピーダのように、少なくとも何かしらの措置は取られるかなと。もうすでにありましたけど、給料の削減がまた始まって、その上で大リストラが行われると思いますね。
(構成=編集部)
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