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公募増資で起死回生を狙う

難題山積でいばらの道、”奇策”に打って出たマツダ

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見えない大株主に、ハイブリッドエンジン技術…まだまだ続く課題

 しかし、マツダの未来がこれによって開けたと判断するのは性急過ぎる。公募増資で、いったい誰が大株主に躍り出てくるのかは、結果をみるまではわからない。今のところ同社株の大量保有報告書は提出されておらず、新株は国内外の投資家に広くさばけたと見られる。しかし、トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)、独フォルクスワーゲンなど、トップメーカーの年間生産台数が1000万台に届くかという世界の自動車市場で、一本立ちして生き残っていくためには、年間生産台が120万~130万台という同社の規模では心許ない。

 もうひとつの課題は、将来を占う同社の技術面だ。マツダが「スカイアクティブ」と呼ぶ次世代技術の柱はエンジンの改良にあるが、日本では主流のハイブリッド技術は自前で開発できておらず、トヨタ自動車からの借り物で対応するしかないのが現状だ。加えて、年間生産台数が120万~130万台と、中規模メーカーのマツダが世界を相手にした競争で勝ち抜いていくには規模的にも難題が多く、今後もいばらの道が続きそうだ。

「マツダの問題は常に改革を先送りしてきたこと。業績が改善すればあぐらをかき、悪化すれば思考停止して誰かが救ってくれるだろうと頼る社風から抜けきっていない」(内情に詳しい人物)。公募増資が一応の人気を集めたのも、前提条件としての構造改革プランがあったからこそ。果たして改革をやりとげられるか。
(文=吉塚嘉雄/経済ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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