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協会は社員との交渉を拒否、ジャーナリズムの名が泣く…

外国特派員協会、記者クラブへの見栄で"正義なき"クビ切り!?

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「特例社団法人外国特派員協会HP」より
 終戦間もない1945年、マッカーサーと一緒に上陸した従軍記者たちが立ち上げた、伝統ある日本外国特派員協会(FCCJ、通称プレスクラブ/ジョージ・バウムガルトナー会長)が、非正規社員64人の雇い止めをめぐって、大揺れに揺れている。

 FCCJ側は、公益法人に衣替えするにはレストラン・バー部門(F&B部門)を維持できないと主張するが、背景には、「経営失敗のツケ回し」や「ガバナンスの欠如」も透けて見える。

 FCCJといってもご存じない方も多いだろう。東京・有楽町駅前のビルに入居する、外務省所管の特例社団法人で、GHQ付記者らが「日本でも本国と同じように、仕事と生活ができるように」と創設。その目的は以下のとおりである。

「日本に駐在する世界各国の外国特派員及び現職の日本人ジャーナリストで過去に日本から一定の期間海外に特派された来歴のある人たちの職業上、社交場の友好、親睦、相互福利を促進するとともに、報道及び情報交換の自由の確保を図り、もって日本と諸外国との友好関係と好意的理解を維持し増進することを目的」

突然、雇用契約期間が短縮

 会員総数は2073人(4月1日時点)。私たち日本人ジャーナリストにとっては、ユニークな記者会見がオープンなかたちで開かれる、大切な場所でもある。

 今回の騒動の発端は、今年2月28日にさかのぼる。「FCCJ理事会が、F&B部門を株式会社アラスカに事業委託すると突然発表したんです。4月1日から、期間が1年だった契約社員とパートの雇用契約も、無理やり3カ月に切り替えられました」というのは、従業員組合UPC(ユニオン・オブ・プレスクラブ、組合員53人、新聞労連加盟)の委員長を務める久保均さんだ。雇用が3カ月に区切られたのは、「4月1日の3カ月後に当たる7月1日から、F&B部門をアラスカに委託する予定だったから」(久保委員長)である。

 アラスカ(望月薫社長)は、大阪・中之島の朝日新聞ビル内に本社を置くレストラン経営会社で、そのレストランは、阪急電鉄創設者・小林一三、朝日新聞社社主・村山長挙夫妻、作家・谷崎潤一郎らも贔屓にしたことで知られ、東京・築地の朝日新聞本社やプレスセンターのほか、ゴルフ場にも出店する。登記簿などによれば、監査役は「飲食店労務のプロ」である社会保険労務士だ。

 UPCは、FCCJとの団体交渉(団交)で雇用保障を求めた。「アラスカは、営業だけでなく厨房や調理具も引き継ぐので、従業員の雇用も引き継ぐべきじゃないか」と、UPCは主張するが、FCCJ側は「誰を雇うかはアラスカが決める」とにべもない。契約社員やパートといっても、10年以上も働いている人も多いのに、いきなり「3カ月でおしまい」とはいかにも乱暴だ。「バウムガルトナー会長が『雇用は守る』という約束を1年で反故にした」と、あるFCCJ社員は不信感を漏らす。

アラスカ側は話し合い拒否

 困った従業員らは、アラスカにも団交を求めたが、同社代理人である弁護士名で拒否の文書が届く。FCCJもアラスカも誠実に話し合おうとしない。これは労働組合法違反(団交拒否など)にあたるため、UPCは5月7日、両者を相手取り、東京都労働委員会に救済申し立てを行った。