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【1】電力会社社員が語る“大飯原発”再稼働問題

電力会社社員「東電社員イジメも、明日は我が身!」

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post_365.jpg『関西電力の誤算 上』
──日本で3番目の発電量を持つ福井県の大飯発電所。11年に原子炉を停止した同発電所の再稼働問題が騒がしい。この問題によって、世の中の関心は東京電力から関西電力へと向けられているが……そんな中、地方の電力会社社員は、メディアの報道、世論の動き、会社の懐事情に何を思うのか? 

【座談会参加者】
A…地方電力社員 入社3年目
B…地方電力社員 入社4年目
C…地方電力社員 入社6年目

──早速ですが、11年の福島原発事故以降、原発への抗議運動は地方の電力会社でも続いてますか?

A うちでは、左翼の人たちの抗議運動が、ずっと続いてますね。

C うちもそうです。街頭をサウンドデモとかで回っている団体もありました。

B うちは、会社に週に1回くらいは来てますよ。ただ、社員の自宅や車に張り紙があるとか、子どもたちがイジメられるとか、そういうものはないです。社員の退社時間に合わせて外で待機されていて、人が出てくると「脱原発」を訴えるっていう……。

A 会社からは「抗議運動に気をつけてください」というような話はありましたけど、特にその対策について具体的な指示はなく、みんな素通りするのみです。基本的に、クレームなどに関しては”受け止める”というスタンスで対応するように言われてますから。

B ただ、関電のように、例えば大飯原発の再稼働が決まった、とかになったら、どうなるか……。

──大飯原発といえば、関電管内は原子力発電の利用比率が72%、東電の44%と比べて、かなりの電力を原発に頼っていました。原発事故後の世論について、電力会社の社員としてはどう思いました?

A 識者の自己利益誘導のための無責任な発言は、腹立たしいですよね。中部大学の武田(邦彦)教授とか、言ってることが全部怪しいですし。特に、放射能の影響については、リスク最大量について科学的知見を踏まえず、「とにかく危ない」というスタンスで、風評被害を招くようなことをしてましたからね。ちゃんと科学を勉強している人たちは相手にしていないと思いますが、”その道の権威”としてテレビで紹介されたら、みんな信じてしまうじゃないですか。

B あと、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏の発言もひどい。ニヤニヤしながらしゃべっていて、全然危機感を持っている顔じゃないし。そもそも、彼だけではないですが、電力の需要と供給についての指摘は特に無責任ですよね。「自家発電はもっとあるんじゃないか?」「節電はもっとできるんじゃないか?」「まだ隠しているデータがあるんじゃないか?」とほざきますが、電力会社には安定供給を維持する義務があります。甘い見通しで発表をして、万が一、病院が停電してしまったら? 人の命にかかわりますよね。足りるなら足りるって言いますし、妥当だと思える一定の仮定をした上で需給予測していて、その中で理解をしてもらうために必要な情報はきちんと出しているので、無責任な発言はしないでほしいです。

BusinessJournal編集部

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『関西電力の誤算 上』 2002年の出版。 amazon_associate_logo.jpg

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