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女性清酒党も増え、出荷量は16年ぶりに対前年比増に

震災でブーム到来!?日本酒業界に何が起こっているのか?

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 「ウィキペディア」より
 7月1日夕刻、東京芝公園に隣接するザ・プリンス・パークタワー東京ホテルの宴会場「ボールルーム」は、日曜日にもかかわらず1000人をはるかに超える来場者で大賑わいだった。

 2日間かけて利き酒審査された日本酒から「日本一うまい酒」が選ばれ、発表されるということで、全国から出品された775種の日本酒、300蔵の蔵元関係者に加え、8000円也の入場券を買い求めて来場した一般の酒好き、トラ党が続々集まってきたのである。

仕掛人は東京の酒屋さん

「SAKE COMPETITION 2012」と銘打たれたこの会を主催したのは、はせがわ酒店(長谷川浩一社長)と酒類卸の岡永(飯田永介社長)の2社。

 はせがわ酒店は江東区の一介の酒屋にすぎなかったが、30年ほど前、サラリーマンから転身して父親の後を継いだ長谷川社長が、「他店にない品揃えをすることで、酒屋としての活路を見いだそう」と考え、自分自身の足でいい酒を求めて全国を捜し歩き、地元でこそ知られていたが、東京・首都圏では無名だった銘柄を発掘し紹介、有名銘柄を次々と育てたことで知られる。

「酔鯨」(高知県)、「磯自慢」(静岡県)、「上喜元」(山形県)などがその代表である。

 こうした取り組みが評判を呼び、亀戸本店だけでなく、表参道ヒルズ、東京駅地下のグランスタ、最近では東京スカイツリーの東京ソラマチなど、話題のスポットに積極出店、今や「うまい日本酒なら長谷川に行け」といわれる都内の有名店である。他店との差別化を図るためビールをほとんど扱わず、日本酒、焼酎、ワインなどで年間30億円近く(グループ全体)を売り上げる。

 一方の岡永は、日本橋馬喰町に本社を置く酒卸問屋。現会長の飯田博氏が大量生産・大量消費の時代にあって、本来の日本酒のうまさ味わいが失われていくことに危機感を抱き、これを共有する蔵元、地方の問屋、酒屋とネットワークを組み、良質美味の日本酒を消費者に届けようと、1975年に日本名門酒会をつくりあげたことで知られる。「一ノ蔵」(宮城県)、「浦霞」(同)、「真澄」(長野)などの蔵元が、その有力メンバーだ。最近期の年商は113億円。ちなみに飯田会長の兄弟は、次弟が居酒屋天狗チェーンを運営するテンアライドの創業者・保氏(現最高顧問)、三弟がスーパーマーケットのオーケー創業者で現在も社長を続ける勧氏、末弟がセコム創業者で現最高顧問の亮氏という、ベンチャー精神あふれる一族である。

出荷量は前年対比1.2%の増加に

 戦中戦後の酒税に絡む「アルコール添加」問題、健康への悪影響などが尾を引き、年々衰退の度を早めてきた日本酒業界にあって、独自色の強い生き方で存在感を高めてきたこの流通2社が組んだことで、今回のコンペティションは業界初といわれるほど大規模なものとなった。しかも、先月8日に日本酒造組合中央会が発表した11年度の清酒出荷数量が、速報ベースだが16年ぶりに前年対比1.2%ながら増加に転じたこともあり、若い女性も多く、会場の賑わいは一段と盛んなものにならざるを得なかった。

『こころの処方箋』


お酒はこころの処方箋

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