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毎日の買い物が超便利になる!コンビニ考現学第2回

人気飲料「オランジーナ」が必ずコンビニに置いてあるワケ

文=渡辺広明/元コンビニバイヤー
post_122.jpg最近やたらと見かける「オランジーナ」。
ボトルの形がカワイイネ!

コンビニ歴21年・バイヤー歴15年の筆者が、コンビニを選ぶ視点からお得情報、裏ワザまでを伝授! バックヤード事情を見れば毎日の生活が変わる――?

<今回のテーマ> コンビニと新商品

 このGWは行楽や帰省などで、いつも利用しているチェーンと違うコンビニを利用した人も多かったのではないだろうか? いつも使うコンビニとは違った商品並びに新しい発見をしたなんて人もいるかもしれない。

 連休中は、行楽地のコンビニが賑わう一方で、オフィス街や住宅立地の店舗では売り上げが下がることが多い。そうして店舗運営に余裕が出来た店舗では、この時期特有のあることをしていたのを、ご存知だろうか?

 ナショナルブランドメーカーは、プライベートブランドを含め、春は3月、秋は9月に新商品の発売が集中し、1週間の採用数が、300品を超える週もある。 テレビCMの大量投下やSNSによる口コミなどで、消費者に劇的な認知をされた商品でない限り、飲料・お菓子など足の速いカテゴリーでは3日間、そのほかでも1週間あれば、POSデータで商品販売の趨勢がはっきりしてしまうもの。飲料・お菓子など、それぞれのカテゴリーにおいて、そのPOSデータをもとにABC分析(物資を価値ごとに評価して、段階的に管理する方法)を用いて、売れていない新商品の継続中止を決定するのだ。

 それゆえにこの時期を過ぎても、コンビニ並んでいる”新商品”は、メーカー側が強烈に売り込みたい商品ということになる。今春の優秀商品・サントリー「オランジーナ」を例にとってみよう。飲料メーカーにとってもコンビニは、自動販売機と共に、基本的にはメーカー希望の小売価格(つまり定価)で販売できるため、ブランド育成に欠かせない販売チャネルである。

 昨今では、100円自販機の定着や激安スーパー、ドラックストア、そしてディスカウントストアなど、00年代初頭からのデフレ進行に合わせ、それまでは、小売業にとって利益頭となったはずの新商品でも、競合店を意識して割引販売を行う店舗が増えた。

 商品が一度安売りされてしまうと、「安い商品」というレッテルが張られてしまうため、定価販売の維持はブランド育成にとって重要なポイントだ。

今期、爆発的に売れているオランジーナの場合も同様で、コンビニで販売する際の値段は定価の147円だが、3月末の発売当初から、スーパーなどでは、88円ほどで販売されていたので、お客の声を拾ってみると定価販売のコンビニでは、オランジーナを買う気がしないという声も結構聞こえてきた。

渡辺広明/元コンビニバイヤー

渡辺広明/元コンビニバイヤー

コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング代表取締役として、顧問、商品開発コンサルなどに多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。『ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた』『コンビニを見たら日本経済が分かる』等著書多数。
渡辺広明公式ホームページ

Twitter:@yaramaika

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