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現在、無料対象の店舗以外でパソコンで無線LANを使おうとすると、NTTドコモの「docomo Wi-Fi(Mzone)」や「フレッツ・スポット」「Wi2 300」といった有料の公衆無線LANサービスと契約している必要がある。だが、全店でサービス展開が実現した暁には、有料の公衆無線LANサービスを契約する必要がなくなる。既存の公衆無線LANサービスを展開する事業者にとっては、大きな脅威だろう。
また、無線LAN自体の性能も最新サービスにふさわしく、最速の規格である「IEEE 802.11n」に対応しているのがポイントだ。一般的な有料の公衆無線LANの規格は、「IEEE 802.11a/g」が主流だが、理論値が最大54Mbpsという速度しか出ない。「IEEE 802.11n」は最大理論値が300〜450Mbpsと非常に高速だ。
データが暗号化されていない!
このように、速くて快適、しかも無料! と良いことずくめのように見えるこのサービスだが、実は、従来の有料の公衆無線LANサービスと決定的に違う点がある。それは、無線LANのセキュリティの仕組みである「WEP」を採用していない、ということだ。
WEPは「WEPキー」と呼ばれるパスワードを設定し、データを暗号化してやりとりする。一般的な公衆無線LANサービスのほとんどは「WEP」が設定されており、無線LANに接続する際は、事業者が指定する「WEPキー」を入力して接続を行い、その後、自分のユーザーID、パスワードをWebブラウザーから入力して利用するのが一般的だ。