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政府がゴリ押しで国民の財布に手を突っ込む悪法

再浮上した休眠口座活用 立ちはだかるは民主党

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『訣別―大前研一の新・国家戦略論』
(朝日新聞出版)
 一時は沈静化していた休眠預金活用の話が、再び急浮上している。

 2010年10月に国民新党・新党日本(当時)が「金融機関の『休眠口座』の預貯金の有効活用」を提言したことで浮上した休眠口座の活用問題は、11年春から夏にかけて多くの会合が開かれ、活発な議論が行われた。しかし、銀行側が休眠預金の活用には多くの面で障害があることをアピールしたことにより、その議論は沈静化していた。

 ところが7月9日、政府の「成長ファイナンス推進会議」のとりまとめには、休眠預金を成長マネーの供給源として有効活用するための仕組みを構築することが盛り込まれた。

 具体的には――
①休眠預金の活用に向け、外部専門家による事務態勢面、コスト面等にかかる調査(フィージビリティ・スタディ)を踏まえた具体的な仕組み・制度案の検討を12年度中に完了する。併せて、各金融機関の休眠預金について継続的な計数の把握・開示のあり方について検討し、成案を得る。

②休眠預金の管理体制については、休眠預金を一元的に管理する機関を設ける制度案を中心に検討する。なお、データ管理や預金者への払い戻し等については、フィージビリティ・スタディの結果を踏まえ、実効性のある運営方法を検討する。

③これらの検討の完了後、早期の休眠預金活用開始に向け、13年度中にその活用策の検討を含む必要な制度整備を終え、14年度中に休眠預金の管理・活用に向けた体制を構築する
――としている。

 この成長ファイナンス推進会議のとりまとめに呼応するように、現在、こちらもとりまとめが進められている政府の「日本再生戦略」のタタキ台にも「休眠預金を成長マネーの供給源として休眠預金を有効活用するための仕組みを構築する」ことが盛り込まれている。

 しかし、「休眠預金を活用するための問題点が解決されているわけではない。人の懐(預金)に手を突っ込むことを考える前に、まともな経済対策を行い、景気を回復軌道に導き、税収を増加させることを考えるのが政治の本筋」(メガバンク幹部)と厳しい声は消えない。

 それでも、休眠預金の活用について「成長ファイナンス推進会議」や「日本再生戦略」といった政府の諮問機関が検討を進めている以上、今後も休眠預金の活用についての検討が進む可能性はある。

 ただ、前出メガバンクの幹部は「休眠預金の活用に関連したさまざまな問題点以前に、大きな障害がある」と指摘する。それは、「休眠預金の活用を検討している母体である民主党が、次の総選挙後には政権を失う可能性が大きいこと」と先行きを展望している。

 確かに、政府・民主党が打ち出した休眠預金の活用という“筋悪”の話は、実施に向けたスケジュールについても政府・民主党が勝手に立案しているようなもので、国会で審議されたものではない。つまり、民主党が政権政党でなくなる、あるいは民主党が消滅すれば、休眠預金の活用は事実上、消滅することになるだろう。