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金融庁、異業種の銀行参入失敗を隠すため、瀕死のイオン銀行を救済!?

イオン銀行V字回復を支えた、日本振興銀行買収の“闇”

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「イオン銀行 HP」より
 イオン銀行の収益が急拡大している。

 直近の2012年4-6月期決算は、連結純利益が12億8700万円まで急伸。前年同期が8900万円であったことから、実に14倍強にV字回復した格好だ。要因は「住宅ローンのほか個人向け無担保ローンや中小企業向け融資の残高が増え、貸し出しから得られる利息収入が約2倍の30億円に伸びた」ことによる。

 もっともらしい説明であるが、なんのことはない、経営破綻した日本振興銀行の資産を継承したことによる「買収効果」が上がっているだけである。「それも、手厚い公的な支援を受けた買収効果」(メガバンク幹部)というのが金融界の共通した見方だ。

振興銀行を使ったイオン銀行の救済

 イオン銀行は昨年12月に日本振興銀行の資産・負債を一時的に引き継いだ、第二日本承継銀行の全株式を預金保険機構から取得。「イオンコミュニティ銀行」に商号変更した後、今年3月末に吸収合併した。だが、この一連の譲渡にはあまりに不透明な部分が多く、金融界では「振興銀行を使ったイオン銀行の救済が本当の狙い」(メガバンク幹部)との指摘が絶えなかった。

 預金保険機構が昨年9月30日に発表した、「日本振興銀行の最終受け皿の決定について」では、イオン銀行は第二日本承継銀行の全株式を19億8000億円、振興銀行の貸付債権(一部)を5億円の計24億8000万円で取得するとされた。

 まず、この株式の価格が問題となる。関係者によると、「昨夏の資産査定(デューデデリジェンス)の過程で、株式の算定値を引き下げた」と指摘されている。

 背景にあったのは、イオングループによる執拗なまでの注文であった。

 イオン銀行は「資産査定を踏まえた条件交渉で、1000項目ともいわれる膨大な注文を預金保険機構に寄せた」(関係者)という。株式価値の算定や一本、一本の債権の中身についての質問が中心であったといわれるが、結果、株式の算定値が引き下げられた。

異例ずくめの買収

 さらに、イオン銀行の注文を受け、譲渡される貸出債権に過剰な引当金が積み増された。最終的にイオン銀行に譲渡された貸出資産は約300億円、これに対し貸倒引当金の額は260億円にも達する。譲渡資産の85%にも及ぶ貸倒引当金という持参金つきで、イオン銀行は振興銀行を掌中に収めたことになる。

 この背景には、イオン銀行が引き受けの条件として、「瑕疵担保特約を付すか、ロスシェアリングを要求した」(関係者)ことがあった。しかし、98年に国有化された日本長期信用銀行や日本債券信用銀行の受け皿探しで、投資ファンド(リップルウッド)に対し瑕疵担保特約を与えたことで社会的な批判を浴びた金融庁は、イオン銀行への譲渡で瑕疵担保特約を採用することはできない。

 その妥協策として実施されたのが、過剰なまでの引当金の積み増しであった。イオン銀行は、買収後、貸出債権を回収するごとに引当金の戻り益を手にすることができる。

イオン銀行に至れり尽くせりの条件