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シリアルアントレプレナー・小川浩「Into The Real vol.5」

サムスンを訴えるアップルもマイクロソフトも、最初はパクり屋?

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8月31日付日経新聞
 現在のソーシャル × モバイル化へと続くWeb2.0時代の到来をいち早く提言、IT業界のみならず、多くのビジネスパーソンの支持を集めているシリアルアントレプレナー・小川浩氏。そんな“ヴィジョナリスト”小川氏が、IT、ベンチャー、そしてビジネスの“Real”をお届けする。

 9月末にはiPhone5の発表が噂されている。

 Appleは、自社製品のデザインの違法な模倣や特許侵害をしているとして、サムスンに対して損害賠償の訴訟を起こしているのは、皆さんも知っている通りだ。

 この訴訟の争点をはっきり簡単に言えば、

「サムスンはAppleをパクっているのか?」

ということだ。僕は自他ともに認めるAppleマニアなので、どちらを応援しているとか、どちらが正しいかと、ここで言及はあえてしない。今回のコラムで伝えたいことは、

「パクっていいのか、悪いのか?」

という視点だ。

AppleはXeroxを、MicrosoftはAppleをパクっていた?

 そもそもAppleのMac OSは、Xeroxのパロアルト研究所(PARC)がつくったOS「Alto」を見たスティーブ・ジョブズが、パクったものだ。そして、そのMac OSをパクって成功したのが、ビル・ゲイツのMicrosoftだ。

 ただ、ジョブズとAppleは、Altoのトンマナとエッセンスをベースに、一般消費者がコンピュータを使えるようにするというコンセプトを“ちょい足し”して、パーソナルコンピュータという概念を生み出した。つまり真似はしたが、その応用方法を工夫することによって成功したのだ。

 ゲイツとMicrosoftもそうだ。彼らはMacをパクったが、製品とOSを分けて、OSだけを売るというビジネスモデルを採択することで、本家のMacを追い抜いた。

 そう、「パクリ+1」によって、新しい市場をつくることに成功したのだ。言ってみれば、誰もが真似をするしアイデアをパクる。パクったアイデアをベースに、自分なりの工夫をスパイスとして入れることで新しい価値をつくる。

 その昔、Microsoftを訴え、現在サムスンを訴えているAppleからすれば、彼らには「+1」がない(サムスンのバックにいるGoogleは、別の「+1」をフィーチャーしているが)というところだろう。逆に、自分たちは「+1」どころか「+2」も「+3」もあるんだと。それが俺たちのオリジナルなんだと言いたいだろう。

徹底的に他社をコピーする企業