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アップルジャパン元代表・山元賢治「Go Global,Go West vol.3」

なぜジョブズはおサイフケータイ不要と見抜けたのか?

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山元賢治氏の上司だったスティーブ・ジョブズ。
(「ウィキペディア」より)
アップルジャパン元代表取締役として、日本におけるiPhone、iPadなどのアップル旋風を主導した山元賢治氏。複数の外資系企業時代から現在に至るまで、世界中を渡り歩き、無数の企業、若者と接する中で山元氏の心に湧いてきた、「最高に素敵な国・日本」のビジネスパーソンに向け、今どうしても語りたいこととは?

 私は約30年弱の間、米国資本の、いわゆる外資系企業に勤務しました。その会社人生の半分は、直属のボスが米国人でした。結局日本人の上司に報告したのは、最初に入社したIBMという会社だけといってもいいくらいでした。その環境でも、たくさんのことを学びました。

 前回までの「日本の良い部分」「日本の好きな部分」から目を移して、今回の連載では「欧米の良い部分」「アジアの良い部分」について触れてみたいと思います。当然、どこの国でも、良い部分ばかりではなく、どうしても好きになれない部分もあるでしょう。それで当然ですよね。

 まずは欧米に関してですが、私が勤めたのは米国系の企業が中心なので、「米国の良い所」に注目して考えてみたいと思います。一番最初に頭に浮かぶのは、スピードです。特に意思決定までのスピードの速さです。体力的にも優れているので、集中力も高いと感じてきましたが、あるアイデアを実行に移すまでの凄いスピードには驚かされることが多かったです。

やってみて問題あるのは当たり前

 何かリスクがあるから「立ち止まって、誰かが成功なり、失敗するのをWatchしている」というルールでは仕事をしていません。まず、やってみて問題があるのは当たり前で、それをどんどん改善していけばよいというスピード感です。意思決定までの組織構造も複雑ではなく、縦に深くもありません。本当に責任を持って意思決定し、問題があった場合の責任をとる覚悟ができている感じがします。優秀な人は、いくらでも再就職できるという、社会全体の構造も関係しているのかもしれません。

 自分が責任をとるのが嫌だから、稟議書には関係者が10人を超えるようなハンコの嵐。いったい誰のプロジェクトなのか、責任の所在があいまいな状態を好む日本人のやり方とは正反対に感じています。これだけインターネットが世の中の中心になり、変化のスピードが速くなると、このスピードの差は大きなビジネスの結果の差となって表れているように思います。

「引き算」のもののつくり方

 米国企業の二番目の特長として感じていたことは、まさに「Global」の視点です。確かにアメリカのお客様の要求に合わせて製品やサービスを開発していますが、常にグローバルの市場でも受け入れられるよう、世界のお客様の要求の「最小公倍数」的なつくり込みになっていると感じてきました。

 特にアップルにおいては、その戦略が明確で素晴らしいと思います。よくいわれる「引き算」のもののつくり方です。不必要につくり込みすぎない、機能の提供の早すぎる製品は、やがて市場から消える運命にあるのです。

『外資で結果を出せる人 出せない人』


元外資系トップが語るキャリアの現実

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