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FC展開強化、SVの臨店指導不要でコスト削減を狙うが…

東京チカラめし、不振穴埋め担う出店ラッシュの狙いと行方

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東京チカラめし、不振穴埋め担う出店ラッシュの狙いと行方の画像1「東京チカラめし」の外観
 昨年2011年6月に1号店がオープンした「東京チカラめし」は、この11月末で120店に到達して、12月には御茶ノ水店、西日暮里店、三田店など4店がオープンする。わずか1年5カ月でこの出店数は出色だ。しかも、今年8月にはフランチャイズ(FC)加盟店募集をスタートさせ、3年以内に500店を目指すという。

 これだけを見ると破竹の勢いだが、実はスピード出店に走らざるを得ない事情がある。東京チカラめしの運営会社、三光マーケティングフーズ(本社・東京都豊島区)の業績が急落しているのだ。

 去る11月、同社は今期(12年7月期~13年6月期)上半期と通期の業績下方修正を発表した。上半期の前回予想は売上高140億円、経常利益9億円だった。それを、それぞれ130億円(予想対比7.1%減)、2億円(77.8%減)に修正したのだ。通期については、売上高こそ290億円と前回予想のままだが、経常利益は18億5000万円から10億円へ(46%減)に下方修正をした。

 その結果、今年度業績予想は、売上高は前年度比12%増だが、経常利益が45.5%減となった。何が背景にあるのだろうか?

 同社は上半期の修正理由について、次のような見解を述べている。

「当社の基軸業態につきまして、国内居酒屋需要の減少、企業間競争の激化により、当初計画していた新規出店を見送ったこと、既存店売上高の減少により、売上高、利益面共に前期予想を下回る見通しとなりました」

 同社が経営する居酒屋は「東方見聞録」「月の雫」「黄金の蔵」「金の蔵Jr」など。既存店売上高が減少した場合、それを新規出店でカバーするスクラップ・アンド・ビルドが飲食店チェーン経営の常道である。同社は、それすらできなくなってしまったと暗に認めているようなものだ。

●不振業態のカバーを担う

 居酒屋業態の不振をカバーするのが東京チカラめしで、居酒屋業態の新規出店に着手しない限り、同社は東京チカラめしに頼らざるを得ない。通期の売上高見通しが前期を上回るのも、東京チカラめしの新規出店が寄与するとの理由からだ。

 しかし、通期も減収だ。同社は、通期の修正理由では居酒屋業態の減収のほかに、「東京チカラめしの積極拡大に向けた新規出店の費用など先行投資の増加」を挙げている。この「先行投資の増加」がFC展開に関するものである。

 飲食店チェーンでは、ランニングコストを削減するために新規出店ではFCをメインにしたり、直営店をFCに売却したりするなど、FC化を進める動きに拍車がかかっている。FCにすれば、初期投資や人件費が加盟店企業の負担となるため、本部企業のコスト負担を低減できるからだ。FC化するとサービスの質を保てないという理由で直営展開に固執したくても、外食市場の縮小で、もはや背に腹は代えられないのだ。

「東京チカラめしも直営店をFCに切り替えて、ランニングコストを軽くすることを前提に、スピード出店をしているのではないでしょうか。直営店という物件の受け皿が大量にあれば、FC募集もしやすいでしょうから、できるだけ受け皿を作っておこうという動きだと思われます」(外食業界関係者)

●疑問の残る、東京チカラめしのFCシステム

 ただ、東京チカラめしのFCシステムには首をかしげざるを得ない。日経MJに掲載された加盟店募集広告ではロイヤルティ不要をウリにしているが、これ自体は珍しくはない。食材や什器・備品を本部からFCに卸して収入を得ればよいのだ。

BusinessJournal編集部

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