多い時は年間500以上の合コンをこなし、これまでの合コン回数は3000回以上の合コンプランナーとして、テレビ、雑誌などのメディアに多数出演している安藤京花氏。合コンサークル「カリテクラブ」運営会社のオフィスカリテ代表取締役を務める一方、定額制エステ『サロンドマシェリ』の代表でもある安藤氏が、合コンから垣間見えたアノ有名企業や人気業界の裏側に迫る!
合コンプランナーは、企画が命だったりする。
あれは確か、「経営者の宴会係」という肩書を誇らしげに自慢する、40代のIT社長からの依頼でした。「安藤さん、女性を20名ほど集められる? 経営者の親睦会があってね。女性を交えたほうが男性の食いつきが違うし、会も盛り上がるんだよね、もちろん紹介料金は支払うよ。どうかな、頼める?」
当時はまだリーマンショックなるものが起こる前だったからだろうか、宴会係の男性はかなりの金額を提示してきたこともあり、普段は計算機がないと掛け算ができない私でも躊躇することなく、「開催日は? いつ?」と前のめりに。この美味しい依頼に、合コンプランナー魂がメラメラと燃えてきたのでした。
参加する男性陣は多方面な業界の経営者たちで、月に1回程度、勉強会という名の宴会をしているとのこと。開催場所のお店は、メンバーのうち、飲食店を全国に持つ経営者が「VIPルーム」を用意していて、それはそれは広くてカラオケもあり、とにかく社長の集まりには十分すぎる豪華さ! 自家用ヘリも持っているという経営者が数人いたりする、とにかく豪華絢爛なメンバーでした。
大手企業の社長さんは、女性と会話をするより、仲間内の経営者と数年前の思い出話や競合会社の評判を熱心に討論している姿が、妙に女性の気を引きたいのが遠回しにわかって面白かった。逆にいわゆる聞いたことがないような会社の社長さんたちは、近くにいる女性たちに「成功持論」を披露するのが大半で、いかに普段仕事に追われて女性慣れしていないかがバレバレだったのも、面白いなと観察してみたりしました。
「女性から関心を持たれる男性、魅力的な男性」と「どうでもいい男性」とが真っ二つに分かれるこの合コンは、男性がいくら地位の高い立場や会社を経営してきたとしても、彼らの成功持論は女性にはまったく関係がなく、「だから何?」という数人の女性参加者の表情が正直で可愛かったです。
●豪華なサプライズゲスト
3時間の宴が終了に近づいてきた頃、宴会係の40代のIT社長が誰かに電話をして「あいつの歌を聞かせてやろう」と、女性たちの気を引こうとサプライズを準備しだしました。このサプライズにはさすがにわたしもビックリしました。なんと宴の場所に、あの大物カリスマ歌手Gさんが来たんです。しかも、急いで来たのかジャージで(もちろん高級なジャージでしょうが)。女性参加者は、もう絶叫。私は最初誰かわからなかったんですが、さすがにこの人脈使いにはアッパレでした。
すごいなと思ったのは「勘弁してください、歌えませんよ」と歌手Gが断ると、「じゃあ、お前なんで来たんだ! こら!」と歌手の首を絞めるようなじゃれ方をしだして責め始めたんです。これには私も含めて、女性陣も引いていました(笑)。
♥合コンの感想♥
この宴自体は、女性を口説くというロマンティックさはまったくなく、かといって女性を放置することもなく、普段自分たちがされている「接待」を社長たちはしたかっただけなのかな? と思わせる、何ら発展もない合コンでした。女性陣は、美味しい料理ともてなしに大満足でしたが。「経営者って遊んでばかりなのかな?」と当時は思いましたが、いえいえ今自分が経営者となってみると、彼らの“接待合コン”の意味もだいぶ理解できるようになってきました。たまには自分が接待したいのです。たぶん(笑)。
(文=安藤京花/合コンプランナー、オフィスカリテ代表取締役)