教育移民はマレーシア「イスカンダル」へ? 国外移住する日本人が増加中
毎日の仕事に忙殺されて雑誌を読む間もないビジネスマン必読! 2大週刊経済誌「週刊東洋経済」(東洋経済新報社)と「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)の中から、今回は「週刊東洋経済」の特集をピックアップし、最新の経済動向を紹介します。
「週刊東洋経済 2013/2/9号」の特集は『海外移住&投資 「脱ニッポン」という選択』だ。
海外で暮らす日本人が増えている。「海外在留邦人数調査統計」(外務省)によれば、海外に住む日本人は2011年10月時点で118万人。前年比で3%増加している。09年、10年は1%増だったので、増え方は加速している。
地域別に見ると、45万人いる北米がもっとも多いが、次がアジアの33万人。アジアは5年前に比べて、19%も増えており、全体の伸び率11%を大きく上回る。つまり、アジアで暮らす日本人が増えているのだ。そこで、今回は「アジアへの脱出」に焦点をあてた特集だ。
特集PART1『移住で実現!理想の生活』では、日本ではあきらめかけていた理想の生活をアジアでかなえるという視点でアジアへの脱出を紹介し、特集PART2『アジアで働く期待と現実』では、タイ、シンガポール、ベトナムで生活する日本人の現状をレポートする。
また、特集PART3『海外メリットを投資で享受』では、富裕層、中間層、不動産投資の3つに分けて、適切な海外投資術を紹介している。
今回の特集を見て、日本人が移住や投資をするとしたら、アジアのどの国がいいのだろうか。まずは、ロングステイ人気1位のマレーシア。国民の9割がイスラム教徒でイスラム金融の中心地として存在感が高い。最長10年の滞在が可能なMM2Hビザがある。経済条件は50歳未満の人は財産50万リンギット(約1500万円)以上と月収1万リンギット(約30万円)以上、50歳以上の人は財産35万リンギット(約1050万円)以上と月収1万リンギット(約30万円)以上あることなどといった条件がある。
マレーシアと双璧をなして良いのが、タイ。東南アジア随一の製造業拠点で、親日的で医療水準が高いのが特徴だ。タイは滞在期間が1年のロングステイビザがある(タイ入国管理局へ問い合わせが可能)。対象は50歳以上、経済条件は年金月額6万5000バーツ(約19万円)以上または預金残高80万バーツ(約240万円)などといった条件がある。
また、一時期、税負担が少ないことで、富裕層の人気が高く、移民受け入れが活発だったシンガポールも、国内の格差問題を理由に見直しの動きが広がっている。日本人が長期滞在する場合に現実的なのは、就労ビザのP1パス。条件は大卒以上の学歴があり、ITや金融などの分野でスキルを持ち、月給が8000シンガポールドル(約60万円)以上などといった条件がある。ただし、この条件では、取得するのがなかなかに厳しい。なかには「起業」というもうひとつの方法でP1パスを取得する日本人が多い。その場合、目安として5万ドル(約365万円)以上の資本金で法人を設立し、さらにその法人で月収8000ドル以上で1人以上雇うというのが条件だという。