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吉田潮「だからテレビはやめられない」(2月20日)

神田うの、テレビでのガサツな振る舞いが示す破壊力と自己肯定感の強さ

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『うのはUNO』
(ベストセラーズ/神田うの)
 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、視るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。 

 嫌われている女の代表格。それが神田うの、である。

 その傍若無人な物言いで一躍有名になり、妊婦ヌードで話題を呼んだり、バッシングされたり、一部の女性からは信奉されたりと、大忙しな女である。

 確かに、うのの発言はいちいち鼻につく。午前中の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ)にも出演しているのだが、まあ、その物言いは「超」がつくほど傲岸不遜なのだ。

 この番組は完全に女性向けにつくってあり、テレビ東京の深夜番組『極嬢ヂカラ』にちょっと似ている。「暇こいて自分を持て余している女向け」といった風合いなのだが、セレブ風な女の美容法だのお気に入りだのを滔々と垂れ流すコーナーがある。美の秘訣というテイのVTRが流されるのだが、うのはワイプに映っていないときも黙っちゃいない。

「あーこれ知ってるぅ~」
「私も使ってるぅ~」
「コレ、いいんだよぉ~」

 美の秘訣を取材してまとめてきたスタッフ、思いっきり形無し。うのが知ってるなら、全部うのに取材すればいいじゃん、みたいな。VTRゲストのありがたみゼロ。スタッフがガックリと肩を落とす音まで聞こえてきそうである。これが神田うの、なのだ。思ったことをそのまま口にしてしまう素直さは、鈍感力であり、破壊力でもある。

●ゆるぎない自己肯定感の強さ

 先日は、同番組で危険なネット通販を特集していた。「こんなサイトが危ない」という話で、サイト内の表記をフリップで解説していたところ、うのが爆弾を放った。

「資本金200万なんておかしい。最低1000万だもん。怪し~い!!」

 うっすら頭に疑問符が浮かぶ。資本金なんて、いくらでもできるんじゃないの…?

 案の定、番組の最後にアナウンサーが訂正した。資本金は1円でも成立する、という事実。さすがのうのもちんまり反省するかと思いきや、「え~ッ! すご~い」と、のたまった。

 あっぱれ! うの!! その自己評価のゆるぎない高さ。芸能界の荒波で、あなただったら生き残れる!! と思わず拍手をしてしまった。彼女の悪気のなさ、天然な我の強さは、確かに嫌われる要素なのだが、身近にいなければ害もない。おそらく直接被害を受けたのは、実の弟・ハマカーンの神田伸一郎ぐらいだろう。

 TBSのトーク番組『アシタスイッチ』で姉弟共演を果たしたとき、その心の内を弟が吐露していた。「(お笑いに)向いてない、才能がない」と姉から浴びせられたという。その様子を見て、MCのひとり・チュートリアルの徳井義実が会心のひと言。

「姉ちゃん、ガサツやな~」

 そう。神田うのは精神的にガサツなのだ。今の時代、自己肯定感が低くて、精神的に不安定な女も多い。この手の女ほど、表面的には強がったりするから厄介だ。

 でも、神田うの級に自己肯定感の強い女ならどうか?

 なんと言われようと、うのはうの。ウノはウノ。UNOはUNO。繰り返す意味は特にない。自己肯定感が低いゆえに他人評価を気にしすぎる面倒くさい女よりは、評価が己の中で完結している女のほうがわかりやすいし、ラクだ。

 食わず嫌いせずに、テレビの中の神田うのを、もう少し観察してみてほしい。そして、今後、好きな女性のタイプを聞かれたら、「神田うの」と試しに答えてみてほしい。あなたの評価がガラッと変わるに違いない(いろいろな意味で)。

【本連載のアーカイブ】
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●吉田潮(よしだ・うしお):
ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)、「ラブピースクラブ」(ラブピースクラブ)などで連載中。主な著書に『2人で愉しむ新・大人の悦楽』(ナガオカ文庫)、『気持ちいいこと。』(宝島社)、『幸せな離婚』(生活文化出版)など。カラオケの十八番は、りりぃの『私は泣いています』、金井克子の『他人の関係』(淫らなフリつき)など。