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反応さまざまなあのニュースをどう読む?メディア読み比べ(2月28日)

わかりやすい新聞のアベノミクス評価 産経・読売は絶賛 朝日は生活への影響懸念

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海外メディアの評価も気になるところ。
(「Thinkstock」より)

 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」をどう評価するか。首相就任前より安倍氏が打ち出した大胆な金融緩和策や財政出動策を受け、昨年11月頃から急激な円安と株高が続いてきたが、ここにきて株価・為替ともに“足踏み”感が見られる中、メディア各紙にも温度差が出てきたようだ。

 甘利明経済財政・再生相は昨日、2月の月例経済報告を閣僚会議に提出した。同報告書では、景気の総合判断を「一部に弱さが残っているものの、下げ止まっている」とし、前月の「一部に下げ止まりの兆しも見られる」から一段引き上げた。他にも、個人消費や生産、企業収益、業況判断などの分野で判断を引き上げており、景気回復を印象づける内容となっている(日本経済新聞)。

 月例経済報告の内容を伝えるのみにとどまった日本経済新聞に対し、読売新聞と産経新聞はアベノミクスの効果が現れたとして、今回の報告に好意的な評価を与えている。

 読売新聞は、報告書における最大のポイントとして、先行きの懸念材料の記述から「デフレの影響」が削除されたことに注目。アベノミクスを受けて、物価が上昇すると予想する消費者が65.3%に増えており(内閣府1月調査)、個人消費の需要増による実際の物価上昇につながるだろう、と予測した。同紙は、尾畑秀一・野村證券シニアエコノミストの「消費マインドに変化が見られ、今後は積極的な財政出動などの効果が出始める」とのコメントも紹介している。

 産経新聞は、今回の景気判断の上方修正の背景として、「株でもうけた富裕層の消費が目立ち、百貨店では高級時計や貴金属が売れ行きを伸ばしている」と、株価上昇の恩恵を受けた富裕層の旺盛な消費行動を指摘した。

一方、アベノミクスによる物価上昇が国民生活に打撃を与えかねない、との懸念を表明するのは朝日新聞だ。同紙は、物価上昇がデフレ脱却のカギとなることを指摘しつつも、「アベノミクス円安」による燃料や原材料の輸入価格の上昇を通じて物価上昇が実現した場合は、日用品の値上がりが家計を圧迫する可能性があると指摘。ガソリン価格や電気・ガス料金がすでに値上げ進行中であり、小麦、海外旅行などにも値上げの動きが出ている、とした。

 値上げに関する指摘は、日本経済新聞も行なっている。同紙は「値上げの春」と銘打った記事で、4月からの小麦価格や電力料金の値上げ、トイレットペーパーやティッシュなど日用品の値上げの動きをレポート。背景には、穀物や燃料価格の世界的な上昇と円安があるとし、これらが脱デフレに届かない「悪い値上げ」になる可能性を示唆した上で、「デフレ脱却のためには、こうした物価上昇の波が賃金の上昇まで波及するかどうか」にかかっているとした。「所得が増えるとの期待が高まらなければ、消費増→企業の収益増→賃金増→消費増という好循環は生まれない」(同紙)。

 26日の米議会でバーナンキFRB議長は、安倍政権と日銀が進めようとしている金融緩和について「為替相場を目的としたものではない」「デフレ脱却を目指す試みを支持する」と表明。FRB議長が他国の金融政策を支持するのは異例であり、ブルームバーグ、ロイターなどの経済系メディアも大きく報じている。現状では、アメリカとイギリスという“緩和先進国”の支持を取り付け、市場も好反応を示しているアベノミクスであるが、今後は物価上昇をいかにデフレ脱却に向けてコントロールするか、という課題とも向き合うことになりそうだ。
(文=blueprint)

『これからすごいことになる日本経済』


あんまり煽ると逆に不安。

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